2008/11/16

犯人捕まる

金曜日の夕方に、僕のオフィスから2軒隣のビルディングで起きた銃撃事件の犯人が捕まりました。

犯人は、土曜日の午前10時過ぎにマウンテンビューのニジヤ周辺の駐車場にいた所を逮捕。
(よく行くんですけど・・・・ニジヤ)

捕まった時は武器を所持しておらず、どっかに捨てちゃってたみたいです。


しかしまぁ、とりあえずこれで一安心。

金曜日は真面目にビビリましたよ。まだ犯人がこの辺ウロウロしてんじゃないの?って。
武装した警官から、「今さっきシューティングがあって3人殺されたんだ。犯人は逃走中でこの辺にいるかも知れないから危ないぞ!外に出るな!」と言われた時には、背筋がピン・・・いや、凍りました。

怖いねー、ホント怖いね、USA

前回の写真を撮ったのが午後4時半頃だったと思うのですが、その後、パトカーのみならずTV中継車とか中継ヘリ等も増えてきて、周りはエライ騒ぎに発展していくことに。

今回、事件のあった会社は、僕がいつもランニングをする時に通る道沿いにあり、また社名の一部にある「SIP」という名前が以前、自社ソフトで使っていたプロトコルの名前だったので、「何の会社なんだろうな?」と思いながら走ってた記憶があります。

しかし、そこでこんな事件が起こるとは・・・

ところで、さすがにすぐ近くで起こった事件だったので、いろいろなニュースサイトを見て回って初めて知ったけど、こっちのニュースって結構すごいんですよ。

もちろん、配信会社によって違いはあるのですが、一番びっくりしたのは、容疑者がどの辺に住んでいるか、家の周りはどういう環境か、さらに容疑者の家の説明(2階建てで家の前に飾り付けられた木があって、さらにバスケの練習用ゴールがあるだとか、家の価値がいくらだとか)、子供の数と年齢等など・・・。もうね、これって場所特定できちゃうんじゃないの?というくらい詳細を書いてるんですよ。いやはや、ここまで書いちゃったら凸撃野郎がたくさん出てくるのでは。

とにかく、犯人が逮捕されて良かったのですが、最近はレイオフも多く、こういう事件が今後また起こらないとは限りません。

ベイエリア在住の皆様、十分お気をつけ下さい。(とはいえ、どんな防御策があるかは私には分からぬ)

2008/11/14

銃撃事件

いやー、びっくり!!こえー。
うちのオフィスから2軒隣のビルディングで銃撃事件発生、犯人逃走中です。

しかも、3人死亡したらしい。


ちょっと30分ほど外出していて戻ってきたら、5台くらいのヘリコプターがオフィスビルの上空をギョンギョン飛んでいて、見たこともないような台数のパトカーが止まってて、武装警官もたくさん。ビビりました。というか今もですが。

ま、まさか、この前Newarkで起こした信号無視の件で俺を捕まえに来たのか!で、でも、違反金は12/9までに支払えばよかったはず!と思いましたが全然違ったようで、そういう意味では胸を撫で下ろしましたが。

なんだなんだ、と思って見に行った所、目の前の警官から「それ以上行くな!」と止められました。
で、その警官から銃撃事件があったと知ったわけであります。

しかも、犯人は今も見つかっていないようなので、サンタクララ周辺の皆さんは気をつけて下さいね。

とにかく、ここはヤバイ。今日は早く帰ろう・・・

現状のニュース
http://www.mercurynews.com/breakingnews/ci_10987100?nclick_check=1


これ以上近づけない・・・
(ちょっと見づらいけど向こう側はパトカーだらけ。手前の交差点側もバリケードで通行止め。そして11月なのに半ズボンで写真を撮る人)


上空を旋回し続けるヘリ


追記:
最新のニュースを確認した所、会社に解雇されたことに対するの腹いせの犯行だったみたいです。
そういや今日もサンマイクロが5000人のレイオフを発表していたなぁ。
いずれにせよ、犯人の即逮捕と亡くなった3人のご冥福をお祈りします。

2008/10/09

バブル崩壊とスタートアップ

ここに来て、さすがに今回のものは前回のITバブル崩壊どころではない空気が漂って参りました。

今日久しぶりに会った某VCの友人キャピタリストは、まさしく今、二号ファンドを生成中みたいなのですが、「全然お金が集まらない」とボヤいていたと同時に、「先週、某スタートアップに$800Kの投資を行ったんだけど、22%のシェアを取れたんだよ」と自慢げ。

現場では、さっそく昨今の経済事情が反映されてるみたいです。


上の例はスタートアップ側には不利なディールでしょうが、投資する側において、やはり今は仕込み時期であることは間違いありませぬ。(ファンド生成できたVC限定ですが)
まぁ、でも資金が回るスタートアップはまだマシで、今は創業そのものが厳しい時代だと感じます。

日本の場合は確か、92~93年頃にバブルが崩壊し、97年に山一や拓銀の倒産があったので、僕のような普通な人が不況絶好調を感じるまでのタイムラグは約5年。(俺、ニブすぎ?)
アメリカの場合は日本の例があるため、もう少しマシな手当てをすると考えてみても、来年になるともっと不況感を感じるようになってくるでしょう。

あと、実は住宅ローン(サブプライム)もさることながら、カードローンを証券化したものも緊急手当てしないと結構ヤバいという話もあり、カード天国アメリカの場合、こっちがコケると今よりも大変なことになるんじゃ・・・ということで、まだちょっと将来が見えない状況が続きそうであります。

まぁ、そう考えるとアメリカの今は、まだ本格的な冬時代を告げる序曲が鳴り始めたという時期でしょうか。
個人的には、金融業界のために$700ビリオンものお金を使うのではなく、モノが売れるような方向で、実経済を活性化させる企業等に資金が回る仕組みで注入した方がよほどマシなんじゃないかと思いますが。
というか、困ったら税金投入して助けるって。。。そんな業界は野放しにしとかないで、半官半民とかにしとかないとダメなんじゃないの?

問題はスタートアップ。

少し前述したように、今は創業そのものが厳しい状況であります。

恐らく今後、あちこちでレイオフが始まり、買い手のない人々はこの地から去り始め、101からまた車が消えて、オフィスの空室も目立ち始めることになるはず。
そうなってくると、いい人やオフィスが割りと好条件で手に入るようになるだろうし、まさに買い手パラダイスという感じに推移していくでしょう。
そういう意味では、「スタートできた会社限定」で、業種によっては高い成長を得る機会になるはず。

ただし、Exitに関して言うと、ちょっと前までシリコンバレーのスタートアップで働く人々は、「Exitした時が本当の給料日(日々の収益よりも、最終的にどうExitするかが問われていた)」と言われてたけど、今回のドボンで本当の給料日がいささか遠くなるはずなので、今後は多くが「確実な収益」になる道を模索し、次の窓が開くまで頑張ってサバイブすることになるでしょう。

ここにも書いたけど、IT系業種の場合、今回のキーワードも、ITバブル崩壊後と同じく、「企業用途」と「携帯電話関連」あたりかな。

もちろんIT系のみではなく、今後はむしろクリーンテックやクリーンエネルギー関係の伸びが目立っていくはずで、実際に僕の知り合いのセミコン系エンジニアは、今、クリーンエネルギー関係の会社を興そうと頑張っていて、この時期にも関わらず結構な資金を集めているそうであります。

いずれにせよ、スタートアップ側にとっても、今、3~4年先を見越して自分のポジションを考え、他人が始められないこの時期に何かを始めることができれば、数年先には頭5つくらいリードできる絶好の機会になるはずなんですがね。

僕の住むソフトウェア系で、前回と今回のバブル崩壊で変わったと思う点は、業種によるものの、オフショアリングに関する経験と知識、技術が現地とオフショアリング先双方に広がっている所であり、コストの高い現地人エンジニアを最小限にしたまま、スピードをさほど落とさずに開発を進められる点。
まぁ、互いに慣れてきたという感じなんでしょうかね。

この海外の開発拠点は、自社で立ち上げようと、他社のリソースを使おうと、最初の立ち上げが大変なものの、軌道に乗ってくればコストの恩恵を大いに受けられるし、時々出張とできて楽しい。(そういう意味では自分が出張したい国に作るという手もアリだな・・・いや、でもトルコはないってw)
ちなみに今はもうインドと中国だけがオフショアリング先じゃないす。

あと、Coderも使える人は使えるという感じになってきているので、いよいよシリコンバレーは本社機能のみ有する形になっていく未来がこの先にあるんじゃないかと思う。

ついでにその先は、ネットの中に本社機能があるという感じになるはず。

そうなれば、プロジェクトベースの小さな集合体が無数に出現するような、面白い世界の扉がやっと開くのだろうと思う。

2008/10/01

米国金融危機とシリコンバレー

某社新製品の発表前後、いきなり忙しくなってきました。さよならニートな日々・・・

さて、一旦下院では否決されたものの、さすがに上院では修正金融法案が可決されましたな。

シリコンバレーの現状としては、特にお金を扱うことを生業とされている人々にはさすがに悲観論が出てきてる感じでしょうか。
大企業の株価もこれだけ下がってくると、株式交換でのM&Aも今後道筋が見えにくい感じになるでしょう。

奥の細Exit道。

でも俺のターン!(笑


僕にとっては既に去年の夏以降から、個人投資家レベルでは財布の紐を締めにかかっているということを経験していたこともあり、また今年の初め頃には現地VCもそういった空気になっていることを感じた(というか単に自分のせいで全滅したんだけどさ)ので、その後はニートをやりつつも試行錯誤していましたが、、、

結論から言うと、今は久々にすごいチャンス到来なわけです。アタックチャーンス!!

もし、今、ここでいいスタートを切ることができれば、いい人取り放題!オフィス探し放題!101も運転し放題!サービス満点ジンギスカン食べ放題!!ってな感じで何でもかんでも買い手市場なんですな。

実際にオフィスレントはもう下がってきてるし、ウチなんて11月が更新なのですが、あれやこれやで引き止めがスゴイ。
契約上は、11月末までならいつ出て行ってもいいので何も返事してませんが、これがもし2年前であれば、2ヶ月前に更新するかしないかの返事をしない場合、「もうマーケットにその部屋を出すから」と言われ、追い出されてたはずであります。

次のステップを見越して人材エージェントにも連絡した所、予想通り。今なら結構いい人います。
インドのアウトソース系会社にも連絡したら去年春先と比べて仕事くれくれ状態だし、もう今から値引き交渉ワクワク(笑

ここでも書いたけど、少なくても今後1年間は、頭5つくらい抜け出す10年に一度の絶好の仕込み時期だと思う。(このエントリー書いた3月よりも今の方がチャンスですよ)

ということで、ワシャ、今に全てを賭けるッ!!

で、景気回復の頃にはそのジャンルのトップを軽快なスキップで走ってる予定。

あくまでも予定。

(いや、しかし、今は早くビルドできない問題解決しなきゃ。オーイ、ビルドの順番・・・あの、環境依存はやめて欲しいんですけど・・・)

2008/09/19

ニートな日々

あれっ、気がついたらもう9月になっとるじゃないですか!

ワタクシ、ここしばらくニートみたいに何もしないで過ごしてました。
長い夏休みだのー。


そして気がつけば知らぬ間にBloggerのマイレポートインターフェースも変わってた。

いや、何もしていなかったというワケではなく、趣味の夏ということで新しい趣味を見つけようと
↓こんなのや



あ、これは元々の趣味だった(笑
しっかし、Crysisはヒドイ。Daemonが入ってると起動しないんですよ。
Crysisをやる度にPCを移動するのメンドイから段々プレイ回数が減ってきた・・・

あと、↓久々にアート系とかにも手を出して火傷したり(面白くて離れられなくなった)



上はこの前遊びに行ったヨセミテのグレシャーポイントを見たくなってTerragenで描いてみた習作。
岩の質感はなかなかよくできたな。。。
しかし大気を3D Volumetricにした途端、レンダリングに要する時間が数倍になりました・・・

元々の参考写真はこれだけど、やっぱり植物系のオブジェクトはちゃんと植えないとダメね。



その他はひたすら身体を鍛えてました。でもあんまり見た目が変わらないのはナゼ?!

さて、そろそろゴソゴソと活動を再開しようか。

でもニートもやめられない今日この頃。

もうちょっと・・・もうちょっとだけ寝かして。


2008/07/26

テクノロジーと冒険と。時々BBQ

今日は日本から出張中のRさんと、こちらに赴任中で某誌記者をしているAさんとBBQしてました。

いや、しかし今日の燃えるような暑さの中での野外BBQはちと辛かったですな。


とりあえず、トムとジェリーを意識したサーロインを一番最初に投入。(ジュッって瞬間収縮はしなかった)



うめえうめえ・・・。

Rさんは現在、日本の某VCのキャピタリストとして活躍中ですが、前職はAさんと同じく某誌の記者でした。
僕とRさんの出会いは2001年頃のシリコンバレーでして、当時R氏の書いたVoIP関連の記事を見て、僕が問い合わせをしたことが最初のキッカケだったと思います。

よく考えるとあれからもう7年ですか。。。いやー、互いに若いままですね(あえて僕も昔と同じままだと言っておこうw)

日本のスタートアップ関連については、Exitが厳しい分、なかなか国内で投資案件を見出すことが難しい状況のようでしたが、今はドバイ以外そういう時代なんでしょう。(いきなりドバイて・・・)
この、「Exit環境が厳しい=増資も厳しい」という関係は、現在のシリコンバレー界隈でも同じだといえます。

Exitが見えなくなると、スタートアップにとっては一気に買い手市場となり、バリューもガタ落ち。
まだバリュエーションしてもらえるスタートアップならいいですが、ほとんどのアーリーステージのスタートアップは対象外という時代に既になっています。(経験者談)

この状態は来年にかけてもっと進むでしょうが、苦しい中でも次の時代を見据え、立ち位置を確保していたスタートアップのみが、その次のチャンス時に大化けするわけであります。
そういう意味では、今はちょうど2001~2002年くらいの雰囲気なのではないかと感じる今日この頃ですな。

「Exit環境の冷え込みと、スタートアップ・バリュエーションの卑猥な関係」という話題で次回またBBQしましょう。

さて、某誌記者のAさんからは、ズバリ「ネット家電がアツイ」という話。

ちょうど先々週、Aさんと一緒にランチをしていた時も二人でその話題で盛り上がったのですが、今は委託先、ネットインフラ等が整ってきており、昔と違って自前で用意せずとも他社のサービスにも乗り入れながら、「やろうと思えば意外とやれる」という時代になりつつあるみたい。
結果として、日本でもCerevoとか面白いハード系スタートアップが芽生えつつあるとのこと。

ソフトウェア系のスタートアップであっても、今は一から十まで全て揃えるなんてことはせず、必要な部分はオープンソースコミュニティに参加したり、外から買ってきて普通に使うわけですから、それに似たノリがハードの世界でもできるようになりつつあるというのは何か分からないけど何となくチープ革命。

ともかく、Cerevoには何とか頑張ってプロダクションに漕ぎ着けて欲しい所。

あとはハードの世界はソフトの世界と比べてユーザー層も考え方も違うと思うので、そういうのでいいんか?というマーケティング側の意思決定がより重要なファクターになるのでしょう。(まさかベータではリリースできんだろ・・・)

と、そんな感じで両国のテック系スタートアップの話もいろいろと交えながら、いやしかし、今日はアツーという一日でした。

肉。

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業務連絡:Aさんへ
すみません、せっかく頂いたワインの栓を開けずそのままでした。
私は飲めませんので、次回まで取っておきますね。早めに飲みに来てください。

業務連絡:Rさんへ
ドバイでの投資家探しは、アラビア文字がよく分からないのと、もし返せなかったら、「200回ムチ打ちの刑」とかに処されそうなので、今回は諦めておきます。(アラビア語の契約文中にムチ打ち条項とか入っていたらまず見つけられません)

でもエミレーツ航空には乗ってみたいすねー。

2008/07/14

昇進!!

今更ですが、やっと昇進しましたよ。

特務曹長にッ!!

いやー、長いっつの。。。特務曹長だけやたら長いっつの。


だって、一等軍曹から曹長に上がるのは、12,000ポイントを稼ぐことが必要なのに対し、曹長から特務曹長になるには、30,000ポイントが必要なんですよ。これって倍以上ですよ。

で、特務曹長から次の位である少尉までは10,000ポイント・・・何でよ。何で1/3に下がるわけ?どういうバランスなわけ?
参考

(ちなみに1ゲームで稼げるポイント数は、多くても60~70ポイントくらいで平均すると40ポイントくらい。時間は1ゲーム大体20分だとすると、、、僕はどんだけこのゲームに時間を投資したのかアフォです。全く持ってアフォです。でもこれからもアフォであり続けますよ俺!!)

とにかく、一時期離れていたBF2ですが、これにて全ての武器のアンロックが完了したため、心置きなく離れることができるようになりました。

ちなみにこんなバッジになりました。ワーイ、何かつよそー→

2008/07/07

日本へ行ってました

ここしばらくの間、久々に日本へ行ってました。(といっても、北海道と京都)

いやー、「暑い」と「北海道はサミット・ポリスだらけ」でなかなか良かったです。(何が?)


北海道ではジンギスカンや寿司を食べまくり、京都ではなぜか中華を食べまくり、そして何かに取り付かれたように毎日スーパー銭湯行ってました。ジンギスカン食べてスーパー銭湯。寿司食べて銭湯スーパー。いやぁ極楽極楽。

そして日本はやはり食べ物が最高!
何かコーラとかもきっと味が違うはず!(この思い込みで全てが美味く感じたのだと思う)

でも何でか知らないけど、毎回日本へ行くと鼻毛の成長率が著しい。何をそこまで飛び出て主張したいのか、とにかくみんな一斉に出てきてしまうのはナゼ?

さておき、一つ日本の状況も変わったなという所では、今回日本でM&Aコーディネーターの仕事をしている友人と会ったのですが、彼曰く、「日本のM&A市場がここ数年でかなり活発になってきている」という部分。
また、某大手SIerで偉い人をしている知人も、去年からとにかく会社を買えという流れになってきていると言ってました。
(誰ぞ、日本のM&A市場が活発化しているというデータがあれば教えて下さい)

で、現在の日本のM&A市場状況を集約すると以下のような感じらしい。

● テック系スタートアップの買収がメインではなく、ほとんどは大手企業同士か、何十年も事業を継続しているような中小企業で、後継者がいないからもう売るーみたいな理由の買収がメイン

● ソフトウェア会社買収の場合は、技術云々ではなく、開発人員を増やすための買収がメイン(特にSIerは人集めに苦労しているらしく、集まらないなら買ってこいー!みたいな感じらしい)

● 買収時のバリュエーションに関しては、売りたいか買いたいかによるものの、大体利益の2~3倍くらいが目安だとか(何この投売り超特価。。。税引き前か税引き後か聞くの忘れたけど、とにかく売上げベースじゃないみたい。)

ただし、スタートアップの資金調達に関しては、これまで通り非常に厳しい状況であること。
特に今はVCが全くと言っていい程お金を出さない。

この辺ですかね。

アメリカに関しては、僕自身も過去のエントリーで自らの体験を紹介しているように、資金調達は引き続き極めて難しい。
また、それに追い討ちをかけるようにM&A市場も下がっているらしい。ヒィエ。
参考1, 参考2

いやはや、、、

人生三度目の氷河期キタYOーーーーーーN!!!
(一回目:就職氷河期、二回目:ITバブル崩壊、三回目:ナウ)

という所でしょうか。

とにかく、これまで低成長を続けてきた日本のM&A市場の突然の上昇については、Exit戦略としてIPO市場が腐っているという点と、「買収されることは負けではない」という企業経営者の考え方の変化、そして日本の大手企業が「自社だけで全て賄わず、他社を買収してでも成長する」という手法を試しつつあるという変化があるのかも知れません。(まだまだバリュエーションがアレですが)
いつの日か、シリコンバレースタートアップのexit対象として、多くの日本企業の名が見られる日が来ることを願っています。


ところで、今回は帰り道に成田空港へ直接行かず、Nikon D60レンズキットをゲットすべく瞬間的に秋葉原へ寄り道。

あるかな、あるかな、、、5万円台であるかな・・・と探すことしばし・・・で、発見!!ヤホー

↓D60で斜めから見たD60を撮ろうと試みたけど無理なのでiPhoneで撮りました画像。



ワタクシは一眼レフ初心者なので、この入門機をベースに今後いろいろと勉学に励むことにしました。

とりあえず慣れてきたら200mm望遠VRレンズ買って、鼻毛伸び率の記録でもしていきたいと思います。

2008/06/11

こういう生き方を何と呼ぶのか

ここ最近、気になることがあります。

例えば、シリコンバレー内には僕を含めて以下のような生き方をしている人々が結構存在するのではないかと思うのですが、それを一言で定義したような表現が見当たらないのです。

誰か知ってたら教えてくだされ。


<前提条件>
● 面白いアイデアを持って時代を一つ先に進めたい、時代を切り開きたいという心がある
● 大企業で何かを実現するのではなく、少人数のチームを立ち上げて数年以内にやり遂げる

<スタートアップに対する考え方>
● スタートアップを自己表現の場として考えている
● 一つの場所に全員集まるのではなく、ネットを使って分散された少人数のチームを作って運営
● 自分が会社を興してもいいし、スタートアップメンバーもしくは近い状態で参加するもよし
● 一つのスタートアップに全てを掛けるでもいいし、複数掛け持ちしてリスク分散してもよし
● 一つのスタートアップに参加している期限をある程度決めている
● 現役の間にいくつのスタートアップを成功させられるかを意識している(生涯成功率を意識している)

<収入>
● 年収という概念がなく、プロジェクト(スタートアップ)毎の成功報酬・生涯資産・生涯成功率という概念
● スタートアップを経済的自由を手に入れるための手段として考えている
● IPOではなく、スタートアップそのものや資産の売却による個人資産の形成が目的

この辺ですかね。

どうもね、シリアルアントレプレナーという表現だと違う気がするんですよ。
これだと、意味合いとしては何がなんでも一生起業し続けまくる人なんですが、たまには面白そうなプロジェクトにCo-Founderにこだわらず参加してみたり、プロジェクトに半分参加してみたりと、その辺もう少し自由な感じなんですがね。

仲良くしているSF在住でS気質でもあるSさんにもS談、いや相談した所、Startup as a way of lifeがしっくりくるのでは?という話もあったのでSが、今の所はこれが一番しっくりきてる感じでしょうか。
あとは、スタートアップをプロジェクトと見据える考え方かな。

というわけで、ここを見ている僕のアミーゴの皆さん、こういう生き方を定義する良い表現のアイデア、もしくは既に存在しているという情報があればコメントに残していって下さい。

素敵なアイデアや情報には、「最近同僚も失いニートな俺ッ!暇なので一週間で2キロ減量にチャレンジしてみました。なんと、人は一日卵かけご飯2杯だけで一週間生きられるッ!だが我慢も限界で既にリバウンド発生!素人にはお勧めできないッ!!」をプレゼントしたいと思います。

できれば、、、できればですが、一言がいいんですけどね。

2008/06/04

そしてこれから

スタートアップの日々というのは前回の通り、諦めと再構築の連続だなぁと、思わず遠い目で振り返ってしまいました。

一つのプロジェクトが運良く一発でエンジンのかかる場合もあれば、うまく始動できずに新たなプロジェクトを興し、またエンジンをかけ直すということも多々あることでありまして、ダメならダメでとっとと次に向かって直進行軍するしかありませぬ。


僕の会社については、とりあえず社員とも話し合った結果、残念だけど今回のプロジェクト閉鎖と共に皆には去ってもらい、また一人で再出発することにしました。
彼らは、僕の会社には本当にもったいない人々でしたが、しょうがないすね、これまでのように給与を保証できる状態でもないし。


最後の日、「また会おう、そしてまたチャンスがあったら一緒にやろう!」と声をかけ、サヨナラしました。

しばらくの間、一緒に仕事ができて本当に良かった。そんな気にさせてくれる仲間でした。

さて、このように現在は、「まぁ、また一人でノンビリ再出発するか」という状態ですが、一人でもやるべきことはあるので、とりあえず次を目指して頑張ってみるつもりです。

その他としては・・・
もろもろとプロジェクトのクローズ作業をやっていた先日、たまたま以前から知り合いだったPh.Dの肩書きを持つ某エリートエンジニア氏と某スーパーで遭遇し、その後互いの境遇を話し合いながらランチを一緒にしている内に、彼の使える時間の範囲内でいろいろと手伝ってくれるというラッキーな偶然にも恵まれました。

味のりを買いに行って、本当に良かった。

やっぱり、一人より二人、二人より三人。しかし、五人以上を率いることがめったにないためか、それ以上になると顔と名前が一致しなくなるという僕ではありますが、アイデアをいろいろと話すことができる相手がいるというだけでも嬉しいものであります。

いずれにせよ、しばらくは一人の時間を強制的に持つことになったので、やるべきことをやりつつも、これまで暖めていたアイデアなんかをもっと具体的に調査していく時間として、「今」を無駄なく有効活用していこうかと考えてます。

とりあえず、明日は昼まで寝てそれからジムでも行こうっと。(何してんの俺?)

2008/05/28

諦めと発見の日々

スタートアップを日米通算で10年以上やっている身として思うことは、スタートアップの日々というのは、「諦めること」と「新たな発見」の繰り返しだという所。


「これをやろう!」と思って始めてみても、あらゆる事情で完成させる所まで辿りつくことができなかったり、リリースしても全く鳴かず飛ばずだったり、「今回はイケる!」と思っても途中でクビになったりと残念な結果に終わるプロジェクトも多い。

企業に勤めている身であれば、仮にそんなことがあっても「明日からどう生きるか?」という心配をあまりしなくて済むけど、自分でスタートアップをやっていると、こういう結果が「で、俺、明日からどう生きるのさ?」という場面にそのまま直結しちゃうこともあるわけであります。
(でもまぁ、「明日からどう生きる?」については、何年間もそれと格闘してきているためか、もう脳がマヒしちゃってて、なかなか危機感を持つまでには至らなくなっている自分がコワヒ)

今回の場合だと、ここ数ヶ月いろいろ頑張って資金調達しようとしてたけど、結局全滅という結果に終わり、去年から考えていたプロジェクトを止める決断をしました。

厳密に言うと、「出すよ」という所も実はあったものの、もろもろの事情により諦めることにしました。
しかしまぁ、プロジェクトをリリースできて、結果として鳴かず飛ばずということならばまだサッパリと諦めもつくものの、プロジェクトを完成させるまでの資金が続きそうにないから諦めるのってのは、どーなのさ?

・・・キィー!ムカつくぅ!自分にぃ!次を見てろろろッ!ってな具合ですな。

でも自分を責めないよ俺、俺で俺を恨まないよ。なぜなら俺はやればきっとできる子だからさ。大丈夫さ!俺!(もう言ってることが支離滅裂)

さて、上記の僕のようにスタートアップには、「残念だけど諦める」ということもよくある微笑ましい光景であります。

と、同時に次にやるべきことが目の前に転がりだすことも常でして、スタートアップって割とこれの繰り返しの毎日なのです。

僕の今回の場合もそれと同じで、次やるべきことが何となくまた目の前に転がってきており、いつものことながらピンチの後には必ずチャンスが訪れるという所を地で行ってるなぁと思う反面、チャンスの後のピンチも常にセットでついてくるのはナゼに?!と、この世のバリューセットについて、そこはかとなく諸行無常の理を感じる昨今であります。

まぁ、とにかく、今回の新たな発見は、前回プロジェクトの資産も一部流用できて、やってきたことが無駄にならないと思われるものなので、今後はとにかくこの道を「男塾、直進行軍!」のごとくひたすら突き進むことにしました。

諸行無常バリューセット一つ。。。あ、今後はピンチ抜きでお願いね。もう辛いのいらないから。

2008/05/02

久々です

ありゃ、気がつけば1ヶ月以上も書いていませんでした。

日本はGWですな。

アメリカの大型連休はなぜか冬場に集中しているためか、こういう季節に大型連休があるっていいかも知れないと思う今日この頃であります。


さて、これまでいろいろと僕の失敗談も書いてきましたが、今日はVC側の面白い失敗談も見てみましょうということで、先日会ったBessemer Venture Partnersのお話を。

普通のVCは、めったに自社の失敗をWEB上で晒すことなどしていないのですが、ここは普通とはちょっと違う。さすが老舗!余裕の情報公開といった所でしょうか。

このVCのPortfolioの中に、Anti-Portfolioというリンクがあるのですが、これはBessemerが過去に投資案件として扱ったものの、結局投資を見送り、結果そのスタートアップがその後大爆発しちゃったエヘ、という話の集大成であります。

で、その中で特に面白いのが、以下のあたり。

● Apple
IPO前に投資できたけど、価値が高すぎると判断したのですな。
その後のAppleの成長ぶりを見ると涙なくしては語れません。

● ebay
は?切手?コイン?マンガのオークション?そんなの誰もつかわねー!と思ってたら大バケしちゃった。
あれ?あれ?あれれれれー!時よ時代よもう一度ッ!

● FedEx
信じられないことに7回も投資話を断っちゃったよ!!
7回行く方も行く方だけど、7回断る方も断る方だなコレ。
「7度目の正直でまた来ました!Bizplan見てちょ!」「よく来たね、でも投資しませんから!」
いやぁ、ムゴイ。。。
しかし、僕もFedExから、「6回断られ続けても涼しい顔してまた行く」という教訓を学びました。
僕は今の所、同じ所に3回断られた経験があるのですが、3回くらいで諦めてたらダメっすな。

● Google
出たよ本命。
ただ、これはよく聞く話なのですが、Googleに投資しなかったVCというのは実際に結構あったみたい。
当時の検索市場というのは、20社以上がひしめきあっていて混雑市場と見られていたことと、時代が検索からポータル(昔、この言葉もよく聞いたな)という概念に変わっていたんですな。
ガレージがどうのこうのって所も脚色してそうだけど老舗ならではの感覚かも知れん。

いやー、このように余裕の情報公開だねと思うけど、実際にBessemerのPortfolioを見ると、やはり抜け目なく良い所にちゃんと投資できているのがさすが老舗。老舗。

大体、シリコンバレーのVCもピラミッド層になっていて、こういう信用ある老舗やセコイア等の投資効率の良いVCが頂点に立ち、その他はおこぼれを拾うような状態になっていますが、BessemerのAnti-Portfolioも見て分かる通り、おこぼれが炸裂することもまた世の常であり、そういう眼力やネットワークをいかに養うかという所もまたVCの醍醐味なんでしょうな。


2008/03/27

サブプライム不況とスタートアップ (2)

先日、シャワーを浴びようと風呂場へ行ったら、湯船の脇にキノコが生えているのを発見。

元々、換気が悪そうだな~とは思ってたのですが、キノコってヒィぃ!

全然関係ない出だしでしたが、今日は前回の続きで、今のアメリカの不況とスタートアップ関連のことを少将じゃない少々。
(変換一発目が少将になるって・・・)


で、実際にどうなの?という部分おいては、少なくても僕の知る限り、「これまでのような勢いでVCがIT系スタートアップへ積極投資した時代はたぶん2007年の夏頃までで、今は昔。ああ兵どもの夢の跡」というのは前回ちょっと書いた通り。

しかしながら、お金を持っている所はどこかに投資しなければいけないわけで、そういう資金が最近はITを避けてクリーンテックや代替エネルギー分野、そしてライフサイエンスあたりに回っているわけです。
ちなみに、2001~2003年頃のITバブル崩壊後も今回と同じく、特にライフサイエンス分野に投資資金が大量に流れていたので、時代は繰り返すのだなぁという所であります。(データ失念したけど、どっかで見たというレベルの理解ですがね)

僕の知り合いの中でも、これまでずっとIT系しかやっていなかったのに、最近突如としてライフサイエンス系のスタートアップに乗り換えたような人もいますが、特定職種以外ならばこのように風の吹いている所にシュタッと舞い降りるような身の振り方もあるのかも知れません。(僕には無理ですが)

このように、スタートアップ全体的には一部を除き資金調達が非常に厳しい状況になっているものの、逆を言えば時代に関係なく、IT系スタートアップの中にはいいディールもあるだろうから、大手~中堅VCがそれらスタートアップに手を出さない今は、新しくて小さいスタートアップVCにとって青田刈りチャンスの時期でもあるだろうと思う。

ただ、現状のシリコンバレーがこのような空気であると肌で感じるものの、じゃあIT系はみんな悲惨な扱いなのか?というとそうでもありません。

僕の周りに関して言うと、一部の人気スタートアップにはすごい数のVCが寄ってきており、「断るのが大変だよアハハー」と、一瞬グーパンチ出してやろか、と思うようなことを言っていた某社CEOもいました。
その企業は、ソフトウェアではなくハードウェア系なのでちょっと違うかも知れませんが、売上げもまともな顧客もまだいないのに、よほど製品そのものが魅力的に見えるのか、毎日毎日VCが通ってきているようです。
しかしながら、その某社CEO曰く、「近々IPOもしくはM&Aを考えているので、今回のラウンドには投資銀行しか入れるつもりはないッ!!」ということでありました。

売上げもまともにない段階で、どうIPOを考えているのかは謎ですが、顧客がいなくともこのようにモテる所はモテるんですよ。これが世の常これが現実ッ!!という所ですな。

その他、ソフトウェア系では周りに惑わされず、早い段階からビジネスの方向を確実な法人顧客向け等に設定し、地味だけどキチンとしたビジネスを展開している所は固い。
今後、コンシューマ向けのサービス展開をしているスタートアップの多くは、「確実な売上げ」を目指してエンタープライズの方向に舵を切るか、もしくは例えばiPhone等の新しいデバイスの可能性に掛ける所が増えていくだろうと思う。

2001年頃の話に戻るけど、当時のシリコンバレーでコンシューマ系のソフトウェアビジネスというのは、すんごい不況に見舞われた時代ということもあって、ほぼ壊滅したような状態になっていた。
また、僕の前創業会社でも最初はコンシューマ向けにサービスを展開していた製品を、その後エンタープライズ向けに仕立て直して方向転換したことを覚えてる。

そして、そういう時代は2004年前半くらいまで続き、2004年後半から2005年に入るとWEBサービスを始めとしたコンシューマ系ビジネスがまた一斉に花開いた時代となり、去年くらいまでそんな時代が続いたものの今不況という所。

このように当時も今と同じく、多くのスタートアップ達は資金調達に苦労していたので、皆、確実なお金になる方向へモデルを転換して迷走していたような時代だった。

今回の場合だと、2005~2006年頃に資金調達を完了し、今だまともに成長していなくて、次の資金調達のアテのないコンシューマ向けサービスは、かなりの数が迷走中なのではないかと思われる。
「これからスタートしますぜ」という一発目の資金調達も大変だけど、「スタートして数年経つけどあまり成長してないので方向性変えます」という環境下で行う資金調達もまた結構大変。

やはり、常に人と違う方向を向いて、自分の時代を待っているような、バチコーイ体勢でいないとダメってことですな。
時代が動いた時に慌てて動くのではなく、時代が動くのをジッと待って、動いた時には既にそこのフィールドで数年の経験があるという状態が望ましいでしょう。

そうこう考えていると、現状、大まかに感じる所としてはまさに今は2001~2002年あたりの状況に似ているのでは?ということ。
慌ててビジネスの方向を変えるスタートアップが見える部分もそうだし、PC上のサービスはもうダメだ。これからは携帯の時代だ!と言われている所も同じ。ちなみに、中国市場だ!という部分もちょっと形は違えど同じ。

この時代はもう2~3年は続くのかも知れないので、その間に次の時代を見越して、自社のビジネスをどう仕込むかが大事でしょうな。

さて、そろそろキノコを栽培・・・いや、収穫してこようと思います。


2008/03/20

サブプライム不況とスタートアップ (1)

最近の大まかなスタートアップ事情については、日本でもそうかも知れませんが、シリコンバレーも相当参ってきているようで、僕の知り合いのスタートアップも最近2社ほどクローズし、VCについても1号ファンドが終わり、2号ファンド生成中でもなかなかお金が集まらなくなってきたという話も聞くようになりました。


このように昨今の経済事情は、サブプライムの勢いもあって実感としてあまり芳しくないと感じるものの、僕の場合は前回のスタートアップも結構ひどい時期(2002年頃)に資金調達活動をしていたので、実はこれが普通なのではないかと思う次第であります。

さて、僕の会社も引き続きシリーズAに向けて走り続けていますが、話が続いてデューデリまで行っている所もあるものの、基本的には以下のような理由で玉砕街道まっしぐら中!

  • まだ製品がない、顧客がいない (これが最も多い断り文句。ビジネスが見えていないと難しい。ウム)
  • 既にポートフォリオがいる (後半は同ジャンルの会社に複数投資しているVCは避けたものの、VCのポートフォリオに載ってなくてもステルスで同ジャンルに投資してる所もあった。騙されたー)
  • マーケットが見えない (混雑していると見ているか、専門分野ではないので全然見てないかのどちらか)
  • 調達金額が大きい (これは結構大事。後半は見直したものの、まだ言われたヒー。でも最小限で計算し直して違う案で再提出した所、話を続けられる所もあった)
  • 秘密 (僕と実際に会った人にだけ教えてあげるウフフ)

次に、現在進行中も含めて話が続いているVCが僕の会社の何を気に入っているかと言うと、

  • 将来のマーケットサイズの可能性 (大化けすると思っている)
  • 製品の目新しさ (他社との差別化部分を認識できるくらいマーケットを知っているVCのみ)
  • 投資戦略に内容が合致している (中にはシリーズAまでのブリッジのみを担う超アーリーステージ専門のVCもある)
  • 理由は分からないけど何か好き (直感を信じるタイプのキャピタリストも中にはいる)

と、こんな所であります。

これまで25社以上のキャピタリストと会って、その後のレスポンスが全くなかったのは3社のみで、ほとんどのVCはちゃんと返事を返してくれたり、アドバイスをくれたり、他社を紹介してくれたり、僕達が次のステップへ移行できることが条件で話を継続したいのでKeep in touchでお願い、という形で閉まるパターンが多かった。

ちなみにですが、レスが全くなかった3社のうち、2社は担当が日本人だった。(知らなかったけど意外といるいんですよ、日系VCではなく、現地VCで働く日本人)
で、こんなシリコンバレーみたいな外国で訪れたVCに同じ日本人がいたら、何かテンションも上がっちゃうじゃないですか。「おっ、同じ日本人同士だし日本語でOKだし、分かり合えるかも!これはいけるかも!互いに大変だよね!」だとかさ。

ところが、会って話をしてみると、一番元気がなくて反応が薄くて質問もなくて、その後連絡してもノーレスポンスだったのはニホンジンダケ!おーい大丈夫かー?生きてんのか?疲れてるの?

逆を言うと、その他は全員日本人以外のキャピタリストでしたが、上述したように全員レスポンスや次がある場合は宿題があったり、自社からの投資が難しい場合は他社の紹介等があったので、何だか日本人とローカル連中との元気差にガクゼンとしてしまい、とりあえずオフィスから彼らに元気玉を送っておいた。

今思えば、そんなモノより栄養ドリンクでも送っておいた方が良かったか?

まぁ、しかし現地でビジネスをやるなら、大きい所も小さい所も含めてちゃんとローカルのVCを血眼になって周った方がいいと思う。
現状の経済状況だけに、ビジネスが見えないと普通はあまりかまってもらえないけど、そこには知らないネットワークやらこれまで知らなかった知識が埋もれているから。

ちなみに僕の場合、現状の経済状況下で自社のビジネスモデルで現在のステータスだと、一番のSweet spotは、
  • 二桁ミリオンのファンドサイズ
  • 1社あたり$3ミリオン以下の投資戦略 ($1ミリオン以下、もしくは前後が多い)
  • 設立されてまた新しいVC (1~2号くらいを運用している所)
この辺だと結論した。

有名どころのVCは、いろいろとアドバイスはくれるし、ネットワークも紹介してくれるけど、何となく出来上がってしまっているためか、特に不況時にはこれまでのネットワーク上からハミ出ずに商売している感があるのに対し、新しいVCは担当者がCo-founderであったりするので、推進力に違いがあるというあたりが大きい。

続きはまた次回でーす。

2008/03/10

ロスのVCとシリコンバレーVCの違い

先週、しばらくロサンゼルスへ出張していました。

仕事の件もあったのですが、ついでに紹介されていたVCにも接見しようという試みであります。


普通の仕事面では、なかなか面白い具合に話が進み、チャレンジ精神をくすぐられる良い機会に恵まれて最高でーす。
しかも気温も毎日25-6℃くらいの晴天で南カリフォルニアってホント最高でーす。

資金調達面においては、シリコンバレーVCと見るポイントやコメントの内容そのものはあまり変わりませんでしたが、フレンドリーさが違いました。
ま、あくまで会った人々がそうであるだけであるかも知れませんが。

あ、ごめん、表題の割に違いは「フレンドリーさ」だけだった。(笑

いや、あと、「日本人なら中国での展開は考えてないの?」みたいなことも言われましたか。
いや、同じこと言われたのはロスのVCだけじゃなかったのですが、ワタクシ日本人ですがナゼに中国?と思って聞くと、やはり彼らも中国に拠点があり、中国マーケットで展開しているスタートアップには積極的なんだそう。
アジアはアジアとして結構大まかに括られているのか、そのように聞いてくる人もたまにいますということで。

そういや、話は変わるけど中国人の性質はむしろインド人に似てるんじゃないかと思う。いろいろな意味で。
少なくても僕の経験上、中国人とインド人は何か共通点があるような、何かが似てたと思う。いろいろな意味で。
しかし、これを本人に直接言うとなぜか互いに嫌がるという謎。(笑

しかし、彼らの「アグレッシブさ」は何だろう、、、どっか壊れてないと行けないんじゃないの?って所まで行っちゃってる人も中には見かける。

もうね、KYとかいう次元じゃない。空気読めないとかじゃなく、読む気すらないレベルが大佐級。きっと生まれながらにして少佐くらいの地位にいるんだと思う。(ちなみに僕は名の通り上級曹長クラスです・・・)

やっぱり、「アグレッシブさ」「しつこさ」「気合(気合ってw・・・と思うけどこれ結構大事)」そして、「ネットワーク」ですか、この辺が何かおかしなことになってるんだよなぁ。

とりあえず、少なくても最初の3つは少佐くらいになれるよう今後共精進したいと思います。


2008/02/29

GDCへ

先週、サンフランシスコで行われていたGDCに行ってきました。
(そして今週は中旬くらいまでStomach Fluで久々に熱も出て死んでました)

GDCは去年も行ったのですが、今年は去年よりも盛況でたくさんの人が訪れてました。


今年もキーノートでいろいろと面白い発表がありましたが、その辺はニュースを見るとして、実際の会場の雰囲気としては、E3にちょっとだけ近づいているような、何と言うか去年よりも幅広い向けの展示が増えていたような気がします。とはいえ、E3よりかはまだまだゲーム関係者向けの色が濃いのですが。

目立った部分といえば、ゲームプラットフォームエンジンの展示が増えたというあたり。
去年は、Crytekエンジンなんかが目立っていましたが、今年はCrytek2の他にもさまざまなプラットフォームエンジンが展示されてました。

あと、注目だったのは、NeuroSky社の製品。
ここはたぶん会場一のすごい人だかりで、遠巻きに見つめるだけしかできず。
どういうものかというと、集中していたり、リラックスしている時に出る脳波を特定の観測機器で測定し、取得データを簡易的にゲームに応用しているというもの。

ヘッドセット形状なデバイスを装着して、集中するとディスプレイ上のキャラクターが箱を持ち上げたり、火を燃やしたりといろんなことをしてくれます。うーん、ネンリキー。

モノは下の写真みたいなやつです。



装着すると、以下のようにヘッドセットのアーム部分から伸びた脳波測定器がオデコに接触、この一点から出る脳波を測定して、データに変換し、いろいろな用途に使うというもの。この日はGDCなのでゲーム用途として展示していましたが。




ちなみに2日目も遠巻きにボーと見ていたら、スタッフの人が話しかけてくれて、後日会社に案内してくれることになり、さっそく後日、サンノゼの本社でしっかりと遊ばさせてもらうことに成功。

一つ分かったことは、「目をつぶっていないと集中とかリラックスが難しい」ということでありました。
目を開けて画面を見るとすぐに脳波が乱れる・・・うう、ゲーム画面は見たいが、見るとダメみたいな、このモヤモヤ感よ。
画面を下手に見て、「落ち着け、俺の脳波!」とイキごんじゃうとすんごい乱れ方とかして、それはそれでまた面白いんですがね。(で、それを見て笑っちゃうともうダメで、全然ゲームにならず)

でも慣れると目を開けたまま集中したりリラックスしたりできるようになるようです。
あと、これは脳波の入力装置しかなく、デバイスから出力するものは無いようなので、健康に害はないようです。

これって、ゲームで言えばWiiあたりに最適なデバイスかも知れませんな。


2008/02/15

競争の時代

ここ最近、シリコンバレーのVCと話を重ねていて感じることは、

  • シリコンバレー以外の世界に注目しているキャピタリストが多い

ということ。

「そのプランは、どこどこの国のナニナニという会社もやっている。自分はどこどこの国のサービスが面白いと思う。」という会話もローカルのVCとの話の中ではごく普通な状態でして、なるほど彼らもシリコンバレーやアメリカだけを特別視して追っているわけじゃないのね・・・と思う次第です。(特に今、シリコンバレースタートアップのExit景気も厳しい状況だしね・・・)

じゃあ、どこを見ているのか?については、予想通りかも知れませんが、キャピタリストの多くが中国の方向を向いていて、日本の話題が出ることはほとんどナッシング。

たまに、ジャンルによっては日本のスタートアップのサービスも話題に出ますが(「顔ちぇき」と「ニコニコ動画」は前に話題に出たことがある)、ソフトウェアサービスのジャンルでも携帯のジャンルでもやっぱり中国が一番気になる様子であります。

実際にローカルVCのポートフォリオを見ていると、中国系のスタートアップも最近はよく見ることができるので、既にシリコンバレーのスタートアップと中国を始めとする海外のスタートアップとの間では、資金調達面においてもう競争局面に入っているんじゃないかと思う。
(同じことをやるなら、実際、中国の方が資金調達しやすいかも知れないよ。)

スタートアップの方に目を向けてみると、これまた中国に制作拠点を移転している所も多く見かけます。
僕の前回のスタートアップも以前は中国に開発拠点を置いていたことがあったり、また現在も中国のアウトソージング会社と一緒に仕事をしてたりするので、個人的にも実に身近な国、それが中国という具合。

その他、僕の会社の開発作業の場合、中国のアウトソージング会社以外にも、直接メキシコ人やロシア人とCoderサイトを通じて一緒に開発作業もしているため、もはや生産地がどこだかよく分からない状態であります。(加工食品みたいなものだからパッケージに原産地表示しなくていいんだよね?w)

とにかく、「その分野に精通した人と、ネットを通じて一緒に仕事をする」という状態が、ここ最近普通になってきているわけです。

さらに、出来上がった製品もアメリカのみならず、幅広く世の中の人々に使ってもらうわけだから、「本社のみがシリコンバレーにある。」という状態になるでしょう。

これからは、

資金も、サービスも、働く人も、流れる情報も、仕事のやり方も、国を飛び越えてより良いモノのみを求めて流れていく。

普通にそんな時代になっていくだろうと思う。

これは、スタートアップやそこで働く人がどこの国に存在しようが、「仕事を作る、仕事に就く、資金調達する、製品を売る」という面において、まとめて世界的な競争をしなければならない時代へと本格的に突入しつつあるという意味もあるだろうし、実際にソフトウェアサービスにおいても、先ほどの「キャピタリストが中国を見ている」という話じゃないけど、既に多くの国がシリコンバレーのスタートアップをキャッチアップしつつあり、さらにシリコンバレーの資金を獲得しているという流れがあるわけです。

これまでは、

1. シリコンバレーのスタートアップが面白いサービスを開始
2. シリコンバレーVCがそこへ集中投資
3. そのサービスがローカルで話題を呼び、
4. 海外のアンテナ感度の高い人々に飛び火していくと、
5. 海外でもパクリサービスがたくさん出てくる
6. シリコンバレースタートアップと海外スタートアップによる顧客争奪戦

というような流れがあり、つまり「世界的な競争」と言えば、主に製品やサービスの顧客争奪戦でのみ使われていたんだけど、最近は、
  • 働き手を獲得する
  • 資金調達をする
  • 就職する
と、これらについても世界的に競争していかにゃならん状況に近づいてきている。

「働き手を獲得する」については、まだ海外の人材について獲得しづらいという実感はあまりないものの、oDeskなんかを見ていると、レイティングの高い人はなかなか余っていなかったりするので、ここも「競争過多時代」と認識できるようになるのは時間の問題だろうと思う。

競争は全ての面においてローカルに限らず世界的に。発想もチームも「当然」全世界を捉えて考えていくという時代へ。
こりゃ、うかうかしてられませんな。

これまでも、シリコンバレーや日本のソフトウェア系のスタートアップ達は、「国にこだわらず、なるべくいい人とチームを作り、自社製品を世界中に売りたい・使われる世の中にしたい」という願望はあったはずだけど、やっと環境がそろそろ追いついてきましたよ・・・と思ってたら、あっという間に飛び越えて次へ行ってしまいましたよという感じ。

何かあれだね、ZoomInfoとかLinkedInとか、oDeskあたりを混ぜ合わせて120発くらいパンチすると、そういう時代にマッチしたサービスを提供できそうな気がしますな。

あとは時差の解決だな・・・うん。でもそればかりは無理だからもう寝る。

2008/02/07

最近

ありゃっ、あっという間にもう2月!

とりあえず、先月末は去年の会計レビューが3日間あったのですが、それがほぼ終了して一安心といった所です。

その他、最近は少しづつではありますが新製品も形になりつつあり、資金調達の方も何とかなりそう(だがまだ決定打がない)という気配になってきました。


VCの方は、これまでは割とアッサリ断れるという流れが続いていましたが、最近はようやく中身をちゃんと見てくれる所が現れ始めている段階であります。(やっぱ紹介は大事ね)

メールだけで断られるのを含めると、もうたくさん断られてる気がする。(10から先は、断られる度にハイテンションになっちゃって数えてないw)

メゲないこと。これ大事ね。

たくさん断られても、自分の考えている内容を変えるつもりはないので、当たるまで掘り続けるのみなわけであります。

そういえば、そんなことを続けていて、ふと昔のことを思い出した。

もう12-13年くらい昔の話ですが、アルミサッシとか海産物の訪問販売をしてたことがあります。
が、訪問販売というのはエラく効率の悪い商売で、玄関でピンポン鳴らしても半分以上が留守。仮に人がいたとしてもドアを開けてくれるのは100軒に一軒みたいな世界なんですよ。

ドアを開けてくれても、そのほとんどが、「必要ありません」でガチャ切り。ま、当然なんですが。
で、あの頃は、どうやってドアから先に入るかを考えるのが楽しくて、本業のソフトウェアそっちのけで訪問販売のバイトをしてたっけなぁ。。。

その内、例えばアルミサッシならば、新築の家の方が導入してもらいやすい(新しい家だと、いろいろと手を入れたいと考えている人が多い)とか、そういう勘がつかめてくるんだけど、そういう勘というのはやっぱり毎日何軒も当たらないと出てこないわけです。

そんな当時のことを振り返ると、シリコンバレーのVC達は、ガチャ切りということはあまりなく、むしろ「こうすると良いよ」とアドバイスまでくれるわけだから、何かとても優しい。

さて、また頑張るか!

2008/01/29

資金調達活動中 (3)

こんにちわ。

今日も淡々と現地VCに当たってみた結果報告をしたいと思います。


前回は・・・、ええと6社からダメ出し中でしたね。
今日また新たに2社からダメ出しを食らいましたので、その理由を書いて行きまSHOW!!

W社:
not appropriate (問題外)

以上!

というか、ここには知り合いがいないので、ロクに面接までたどり着くことができませんでした。
まぁネットワークがないとこんなもんです。ハイ。

T社:
ここからは結構ちゃんとした断り文句が返ってきました。

Thank you for thinking of us. I had a look at this and conclude that it’s not a fit for us. There are 2 primary reasons: the market is not one that we find compelling at this time because it’s frothy and crowded, and as a fund we have significant exposure to ***** as a category. Also, we typically invest in initial rounds of under $3mm, so your $5mm raise is too large for us structurally.

We wish you the best success in completing the financing. Let me know what I can do to help.

Best,


いや、大失敗したんだけど、500万ドル必要だと言ってしまいました・・・。

こことは、前回のエントリー前から話を進めていたため、

■ 必要資金額をもう一回練り直し
(最低額をもう一度見直し、訪問するVCのファンドサイズ、ファンドを組んだ時期を見て最適化してみる)

↑これができていなかったことが悔やまれる。(前回の反省による今後の行動指針)

ま、しかし本当の理由は太文字の所あたりだと思うので、いずれにせよ撃沈したはず。。。はずだよね?はず?・・・誰か「そうのはず!」って言って!!500万ドルて言った僕のせいじゃないって誰か言って!!誰か!!

でもまぁ、とてもいい人なので、彼からまた次を紹介してもらうことにしよう。(と、最後の一文を本気にしてみる)

とりあえず、上記2社からのメッセージも鑑みると、どうやら僕の会社は混みあっている業界に立っている。
確かに混みあっているといえば、ここ1年くらいで混み合ってきた業界で間違いないと思うけど、今後、花開くであろう業界に新しい機軸を持って参入!って、ひょっとしてマズイのか?僕らのは、Kick-Ass Productに見えない?

一応差別化はしてあるんだけどな。絶対いけるんだけどな。。。いけるよね?・・・イケる?・・・イケ・

誰かイケてる!って言って!僕のアイデアは最高だよ、こりゃ間違いナシって今スグ誰か言って!誰か!!

とまぁ、現段階で合計8社からダメ出しを食らってしまったワケですが、まだ話を続けてる所や今後新たに話を進める所もあるので、これからに期待チュウ!

今さらながら、「not appropriate (問題外)」と一言で返してきたW社がなんかムカついてきたのでもう寝る。

2008/01/21

ビジネスプランについて

そういえば、以前ビジネスプランの内容をアップすると宣言しておいて、その後忘れてました。
例の12 Magic Slidesというやつ。

どうもこの定型は、とあるシリコンバレー在住の経営コンサルタントが好意で作ったもののようですが、先日、なぜか僕も知人経由で手に入れることができたので、せっかくだからここに公開していきます。(怒られないよね?)

ちなみに、今となっては、ローカルのVCから「最近のは同じ型ばっかだな~」と言われるにまで浸透したこの形式ですが、読み返してみると、エグゼクティブサマリーの内容そのままみたいな感じなので、サマリーが先にできていれば、こっちは作りやすいかと思われます。

さて、では以下に内容を示していきます。


準備について
その前に準備体操を一つ。
以下、スライドを作成する前、およびプレゼン前の準備項目です。
  • 各々のスライドの行は、5-10行間で作成する
  • スライドは、会社名とロゴを入れたオリジナルなものを作る
  • プレゼン前に、チームメンバーの紹介をサラっと30秒くらいで説明
  • プレゼン前に、市場概要と現状の問題、顧客の説明、自社のユニークな部分を軽く30秒くらいで説明
  • プレゼン前に、会社の沿革を↑こう思うに至った経緯を含めて1分くらいで説明(信頼できるソースがあれば、そのことについてもサラリと事前に言及しておく)
準備については以上ですが、ちと二つほど注意点があります。

一つ目は、一枚のスライドに細かい文字で詰めすぎないという点です。
「言いたいことを全部詰め込みたい!」と、細かい文字で内容を詰めすぎてしまうと、かえって見づらくなり、見てもらえなくなります。(相手が老眼だったらもう終わり)
中身は、インパクトのある箇所のみ記載し、それ以外は全て口頭で説明するだけで良いです。

二つ目は、全ての情報を詰めなくてもいいという点です。
これは一つ目に似ていますが、一つ目は「単に分かりやすくする」という意味で中身を詰めすぎない、という内容でしたが、二つ目は自社にとって最も重要な情報は、「あえてぼかして書くか、もしくは書かない」という意味です。

普通、VCとはNDAを結びませんから、自社の情報が後でどうなるかは分かりません。ポロっと話をされたことが競合他社に伝わり、実装されてしまう可能性だって否定はできないわけです。(VC経由で情報が流出したかどうかの本当の所は分かりませんが、こういう事件は実際に時たま耳にすることがありますし、他のアントレプレナーの中にも核心情報の取り扱いには注意しているという人が結構います)

とはいえ、シリコンバレーというアントレプレナーの多い土地柄も考えた場合、同じ時期に同じようなことを実行している人も多いだろうこともあり、偶然であることの可能性の方が高いとは思いますが、一応念のため、もしも肝となる核心部分があれば、2回目以降のミーティング時に話をする等、取り扱いには気をつけておいた方が良いでしょう。

さて、では実際のスライド内容の説明に行きましょう。

Title Slide
タイトルスライドはトップのカバーページのことです。
以下、タイトルスライドに必要な情報ですが、スライドに関しては、予め自社のフォーマットを作っておいた方が良いでしょう。
  • 社名
  • 作成日付
  • 相手(VC)の社名
  • 会社のロゴ
  • キャッチコピー(一言で)
  • いくら必要としているか?
カバーページには上記の情報を記載しておきます。


1. Over View
スライドの一枚目は、Over Viewです。
ここで相手の注目を引き寄せることができないと、その後の発展が難しいということみたいです。

以下、掲載例です。
  • 簡易市場説明 (この市場は今後5年間でこのように大きく伸びると予測されている!等をソース付で)
  • 2~5のインパクトのあるメッセージを準備 (例:Fortune 100のTOP5に入る企業が弊社製品のベータ版を現在使っており、正式版リリース後には必ず製品を購入するという内容の契約済み!等)

2. The problem
二枚目は、現状の問題点説明です。
  • 何が問題か?を短く説明(例:現状のシステムはココがおかしい!)
  • 数字で具体的な要素を出す(例:顧客は年間100億円もの無駄なコストを支払っている!顧客は年間30%もの無駄な時間を旧システムに費やしている!等)
  • それら情報の具体的なソースがあれば提示する

3. The Solution
三枚目は、問題点を解決するソリューションの説明です。ここは非常に重要で、このページの説明が終わった所で相手の顔色に変化がなかったらオシマイと言われていますので、気合を入れて説明しましょう。
  • 製品/サービスのメインを分かりやすく手短に記載
  • その製品/サービスで何が顧客の大きなベネフィットとなるのかを記載
  • 製品/サービスの簡単な組み合わせ図を記載
※ さて、この説明が終わった所で相手の顔色を見てみましょう。つまらなさそうですか?そうですか、じゃあオシマイです。ここから先は世間話でもしておきましょう。題材はそうですね、「ジョジョの奇妙な冒険」についてでいかがでしょうか。ナニ?興味を持っているようだ?そうですか、じゃあジョジョを封印して次のページへレッツらゴン!


4. Opportunity and Market
ここでは主に、自社製品/サービスにおける市場性を説明します。
  • マーケットの動向(5年後の全体マーケットサイズと、自社がフォーカスする分野のマーケットサイズ)
  • 5年後に自社が市場の中で何%のシェアを取るのか?(と、なぜ取れるのか?という説明)
※ グラフで記載するのが望ましい。
※ 自社の売上げが5年後に$100ミリオン達成!となるような市場性のある分野が望ましい。


5. Technology
ここでは、自社製品のアーキテクチャを説明します。
できるだけ相手に分かりやすく説明するため、ダイアグラムを用いたスライドの作成が必須であります。
  • 技術の全体像(コアと周りの技術を分かりやすく積み木のように掲載。よく見かけると思いますが、一番下にサービス・プラットフォームがあって、真ん中にサービス・フレームワークがあって、一番上がサービス・インターフェース+矢印がサービスをデリバリーする顧客に伸びているとかのアレですアレ。母さーん、アレ取ってー)
  • 自社技術とビジネスの橋渡し部分を掲載 (その技術が誰のどこの部分で使われるのか?)

6. Unique Competitive Advantages
6枚目では、自社が競合と比べてどのような特徴があるかを説明しますが、技術面でユニークである以外にも、他社に比べてチーム内に豊富な経験を持った人材がいるだとか、他社にはないようなパートナーが既に存在しているだとか、IPを保有しているだとかの情報を記載します。俺は他の連中とは違うぜ~!という部分を思い切り書き出して下さい。

と同時に、それらに対する質問の答えを以下のように用意しておきます。
  • 自社のみが持つユニークさであるか?(YES or NOだけど、NOならそれはユニークとは言わない・・・)
  • 他社に比べて自社のユニークさは10倍以上のアドバンテージがあると思われるか?(ちょっとこれは何の10倍なのか根拠に欠けますが、一応書いておきます)
  • どれくらいの期間、その優位性が続くと考えられるか?(1年以上と答えられるようにしておいた方がいいでしょう。もちろんその理由も)
  • 顧客はなぜそのユニークさに惹かれるのか?(なぜ顧客はあなたの会社の製品を使うの?)

ようするに、他社に比べて競争優位な部分の説明と、それが本当に優位であるかどうかを確認する部分ですが、以前のエントリーでも触れていますので確認して下さいまし。


7. Competitive Landscape
7枚目では、競合と自社を含めて何が技術的に違うのかという部分の説明です。他社製品と自社製品の機能差を表にしているような図って巷によくありますが、まさにそれ。
ちなみに僕は6と7を、7を中心に一枚のスライドにしています。

※ ここで、気をつける箇所
  • 競合はいないと言ってはいけない→前にも説明しましたが、「市場がない」の裏返しです
  • 自社の持つ機能で強調したい部分は思い切り強調して書く
  • 顧客を中心とした観点から見る (細かい箇所を競ってもダメで、顧客がこれがあるから使う!というような部分を記載)

8. Go to Market Strategy
マーケットにどういう戦略を持って参入するのか、しているのかを説明します。図で記載するのが望ましいです。
  • 顧客のプロフィール (誰が顧客なのか?まだいなければ、想定顧客は誰なのか?)
  • パートナーのプロフィール (誰があなたのパートナーなのか?)
  • 誰がどのようにあなたの会社の製品/サービスを販売するのか?
  • 価格はどのくらいを想定しているか?
  • どのように顧客を見つけ出すのか?
  • バリューチェーン、セールスサイクルの説明
  • マーケット戦略において、他社との違いがあればその説明
  • マーケットの市場性

9. Finantial Roalmap
5年間のファイナンシャルロードマップを記載。(横は年表示。縦には売上、費用、税引き前利益、投資額、ヘッドカウント、顧客数というのが普通)
  • シリーズAとしていついくら必要であり、シリーズBがあるのならばいついくらになるか、ということも掲載。
  • 投資資金の使い道の記載 (ここまで製品化する、こういう企業とパートナーシップを結ぶ等)
※ ここで気をつける箇所
  • ちゃんと自社のビジネスモデルを理解して書いているか?(このビジネスモデルでこの売上げはねぇだろ!というようなプランではないということが大事。現実が見えているかどうか試される所です)

10. The Team
チームメンバー紹介です。これまでの経歴等を思い切り褒めちぎって書きましょー!

ちなみに僕はいつもここで変な汗をかきますが何か?


11. Current Status
現状と今後のマイルストーン説明です。
現状では何が終わっているのか?(技術開発、ビジネス開発含め)また、今後どのようなマイルストーンがあり、いつそれが終わるのか?
ちなみに僕の場合は、今から1年間分と今後5年間分くらいのタイムラインの図を2つ用いてマイルストーン説明しています。
1年間分の方はより詳細に、5年間分の方は大体の目安として、というような内容ですな。


12. Summary
最後はサマリーで最も印象に残したい内容を3つにまとめ、短く箇条書きにします。以下はその例。
  • 市場の説明 (この市場は必ず大きく花開く!他社よりもアドバンテージがある!等)
  • (見込み)顧客情報、パートナー情報 (現状を記載)
  • VCにサポートして欲しい内容 (Financingやチームの強化等)

プレゼン終了後
プレゼンの終了後は、以下のことを忘れずにフォローします。
  • 内容全体についての感想及び意見交換
  • どのような過程を経て投資をクローズさせるのか、というあたりを確認
  • フォローアップミーティングのセットアップ(もしできれば)

その他
僕の場合は、ビジネスプランに入らなかった部分を別途以下のようにAppendixとして、ビジネスプラン本体とは切り離して追加しています。
以下は参照程度に参照参照。(いかん、疲れてきた)
  • ミッション
  • 製品のスクリーンショット (デモで見せられる以外の部分)
  • 製品の機能詳細
  • ターゲット顧客の概要
  • ターゲット顧客のバリュー
  • どう顧客に製品を届けるのか、という部分の詳細戦略
  • 顧客をどう保持し続けるのか、という部分の詳細説明
  • 競合情報のさらなる詳細
  • 自社製品の市場位置づけ (マトリックスを用いて表示)
  • アクション・マトリックス (製品の中で、どの機能を捨てて何を加えるのかという部分をマトリックス表示)
  • なぜこのビジネスモデルなのか?の詳細説明
  • 組織図
  • ビジネス上のマイルストーン (Exitまでを記載)
  • 会社沿革
  • 製品のバックグラウンドとなるテクノロジーについての説明
  • Exit Plan
  • マーケットのニュースクリップ (ビジネスプランで用いたソース他)

とまぁ、12 Magic Slidesはこんな感じです。
いかがでしたでしょうか?

ふと思ったのですが、これって特にVCに対するプレゼン以外でも使えますな。
例えば、車を買う時に嫁さんを説得するために使うだとか・・・現状の車の問題点はこうで、欲しい車はそのソリューションを持っている!みたいな。
まぁ、「チームメンバー俺一人!」みたいな感じになっちゃうでしょうが。

あと、プロポーズとかでも使えるんじゃ・・・?

ただ、プロポーズで使う場合は、「The Problem~君の問題点~」や、「Go To 君 Strategy」の使用には十分に配慮することが必要。
もちろん、「君という市場に競合はいない」などとは言ってはいけませぬ。(競合がいたらいたで問題だけど)

では、これらを駆使して資料作りを頑張りましょー!

2008/01/17

資金調達活動中 (2)

こんにつわ。

今日はこれまでにシリコンバレーのローカルVCへ当たった途中結果を報告していきたいと思います。

とりあえずダメだったものからいってみましょう!


最初に僕の会社のことを少し書いておきます。

■ 業種:ソフトウェアサービス
コンシューマ向けソフトウェアです。

■ 調達目標金額:300万ドル前後(最低200万ドル)
リリースするまでなら、あと50~60万ドル程で可能と試算。
300万ドルあれば、運営に必要な人を確保してギリギリ2年程生きられて、その間にブレーク・イーブンまで達成できるという計画。(400万ドルあれば余裕が出る計算)

■ 現在のマイルストーン:Proto version
Alphaまでもうちょっとだけど、とりあえずベータのローンチまであと3名程エンジニアが欲しい。

■ その他:
これまでに、約50万ドルをエンジェルインベスター経由で調達済み。

以上です。

では、さっそくダメだった所の内容を以下に示していきまSHOW!

O社:
ここはかなり良い感じでプレゼンができた。担当もCo-Founderだったので決定権があるはず。
と、思いきや、ここはファンドサイズが5,000万ドル程度だったので、最低200万ドルという数字がデカ過ぎると言われる。
そうだよなー、5,000万ドルしかない所から200万ドルもらったら、そのVCのポートフォリオのうち4%を占めちゃうことになる。そら無理だー・・・。とは言いつつも、「じゃあ、200万ドルのうち50万ドルくらいは?」と聞いてみるも、このVCは、50~100万ドルくらいの投資で15~20%くらいのシェアを持つ戦略であるということ。ということで、シェアが持てないという理由で却下。残念。サイナラ。

D社:
ここは最もひどかった。最初から冷たい対応で質問もネガティブなものばかり。というか、担当者がいやにネガティィィブ。
同じ業界に投資をして過去うまくいったためしがないらしく、「本当にできるの?」という質問を連発された。
「今までのはお前の目が悪かっただけじゃい!」とキレそうになる。
しかも、ミーティング後は連絡しても返事なし。断った理由もなし。セコイアだって理由くらいは教えてくれたっつの!バーカバーカ!と子供並みの逆ギレと共にサイナラ。

C社:
ここは本命だった。僕達の担当者が業界に詳しく、かつ有名人であったこともあり、きっと違いを分かってくれるはずだと信じてプレゼンに望む。
プレゼンはかなり良い感じで進み、その担当者も僕達のプロトを絶賛。「こんなユニークなアイデアはこれまで見たことない!」とまで言われ、「次のミーティングをすぐにセットアップしましょう」と話が進む。

ウヒョー、キタかキタかーー?!と思った。

ところが、どうも上司から却下されちゃったらしい・・・。
「君、この業界にはもう既に6社に投資してるから、今後しばらくはポートフォリオ達の様子を見ろ」と言われた旨を通知され、しばし打ちひしがれる。うひぃ、上司ー!セクスィ上司ィー!
そうなんだよー、業界に精通した人がいるのでここは本命だったんだけど、それゆえ既に同じ業界の多数のスタートアップに投資を行っていたため、滑り込みアウト!といった所だった。もう少し早く動いていれば・・・。

R社:
ここは、あっさり。
「既に同じ業界の2社へ投資してるのでお腹いっぱい」
以上。

ま、細かく言えばセグメントは違うんだけど、ここまであっさりされると何かすがすがしい。うーん、カリフォーニャ!

S社:
ここもあっさり。
「売上げか、顧客の存在が確認できないと無理だからまた来てね」
以上。

M社:引き続きお話中
ここは現在進行中でもあるんだけど、たぶん投資そのものはダメなのでダメリストとして記載しておこう。
ちょっと名前の通った人の紹介であったため、出だしは良かったけど、既に同じような業界の有力な1社に投資しているため、そこに会社を売らないか?と提案を受ける。

その有力なポートフォリオは既に大幅黒字を達成しており、それを間近で見ているM社もこの業界そのものや、僕達のサービスについてかなりの興味を持っていた。というか、今なお持っている様子。
細かく言うと、ターゲット層だとかマーケットそのものが違うので、同じ業界といえども違いはあるんだけど、ちゃんと精通している人でなければ、その辺の見分けはつかないんだろうなぁ・・・。そういう意味では、C社の担当者がここに欲しかった。


現状の総論
さて、これまでの所、断られたVCについては以下の点が共通していたと思うので記載しときましょう。

  • 大体のVCは、同じ業界で2社以上に投資していればもうお腹いっぱい。
  • 同じ業界のスタートアップの違いが分かる担当者というのは少ない。
  • やはり製品のリリース前というのは評価が厳しい。顧客が既にいればもっと楽になると思う。

競合他社との差別化については、十分考えてビジネスプランを持って行っていたし、直接競合に投資しているVCは避けていたわけですが、担当者がその業界をあまり知っていなければ、差別化要因の理解もなく、同じ業界として括られるため、「他社との差別化」に捉われていてもあまり意味はないと思った。

例えばゲーム業界ならば、FPSだとかMMORPG、カジュアルゲームだとかでマーケットの種類に違いはあるし、またGameSpyのようにプラットフォームそのものではなく、コミュニティやツール類を運営している会社もあるんだけど、こういうのをひっくるめて「同じ業界」という形にされてしまうので、やはり結果で違いを見せるしか方法はないと思う。

まー、つまりVCはみんな忙しいんですな。一つの業界におけるスタートアップ間の細かな違いまで判別している暇は、よほどでないとないと思われます。。。か、もしくは僕のプランがあまりにつまんなく、断り文句として「お腹いっぱい」を使っているかのどちらか。


これからの展望
さて、引き続いて話を継続している所もありますが、今後は上記を踏まえて以下のように新たな行動をしていくつもりであります。

■ 必要資金額をもう一回練り直し
(最低額をもう一度見直し、訪問するVCのファンドサイズ、ファンドを組んだ時期を見て最適化してみる)

■ 同じ業界に投資していないVCや海外のVCを狙う
(これまでは、同じ業界のスタートアップに投資経験のあるVCの方がいいかと思っていたけど、結果が全く逆だったので。あと、アメリカ以外のVCでもいいかも知れないと考え中。ただ、日本のVCは当地ではリードを取りたがらないので無理だろうなぁ。台湾あたりにでも行ってみるかな)

■ VC以外での生き残り方法を模索する
(やはり製品をリリースして顧客がついていることを証明しないとVCは厳しい・・・)

とまぁ、こんな所ですかね。


おまけ

そういや、Executive Summaryだとかビジネスプランですが、「最近同じ型ばっかりなんだよね、この型って流行ってるの?」と聞かれた(笑
僕が前に書いたような内容って、既に現地ではマニュアル化しているみたいで、まるで90年代のメンズノンノとか見てそのまんまマネするマニュアル君みたいな見られ方をされてハズカシー!と感じたので、ちょっと凝ってみてもいいとオモタよ。

これからは、ちょっとだけオレ流を入れることにしようと模索中。

2008/01/14

資金調達活動中 (1)

こんにちわ。

現在、僕はローカルのVCに対してシリーズAの資金調達活動を行っていると共に、それまでのブリッジとしてConvertible Notesを用い、個人投資家への体当たり活動を行っています。

今日は、実際にシリコンバレーのVC巡りを行って思ったことなどをつらつらと書いて参りましょう。


さて、当地にはたくさんの数のVCが存在しますが、日本と違う所はそれぞれのVCが大体の得意分野を持っているというところです。
日本の場合は、VC自体の数がそんなに多くないため、一人で多くの業界にまたがって案件を抱えなければならない場合や、あえて業種というよりも地方に根ざした活動をしているVCも存在します。

もちろん、当地でもいろいろな分野に投資している規模の大きいVCもありますが、そういうVCはアーリーステージのスタートアップにはあまり投資をしませんので、基本的に最初のファンドは、1億ドルクラスくらいまでのファンドサイズを持ち、アーリーステージへの投資も積極的で、かつ投資分野も拡散していないようなVCから投資を受けることが理想的です。

ですので、自分の会社の業種が何であり、どのようなVCだと好まれそうなのか、というあたりからVC選びというものを始めていかなければなりませぬ。

「Siliconvalley VC」でこの辺を検索すると、いろいろ出てきますので、それらVCのポートフォリオを眺めながら、そのVCがどういった業種を好んで投資しているかを見てみると良いでしょう。
ただし、次回書きますが、自分の会社と同じ業界にいくつも投資しているVCは、「もうお腹いっぱい」と断られる可能性が高いので、例えば「ソフトウェアか半導体か」、「コンシューマ系主体か、それともエンタープライズ系主体か」といったような、かなりざっくりとした形で見た方が良いと思われます。

次に、実際にVCに当たる際ですが、どのVCもWEBサイトでメールアドレスを公開している等、オープンにしているように見えますが、そのままメールを送ってみてもきちんとした返事をもらえる確率というのはほぼナッシングと思った方が良いです。
これは僕がやってみて実際にそのような結果であったため、胸を張って言えることであります。(こんなことで胸を張ってみる)

一番近い方法は、VCと既に何らかの接点を持っているような人にヘビのごとくソロリと近寄りつつ、アドバイスをもらいながら紹介してもらうという手です。
シリコンバレーには、そのような仕事を個人的に行っているコンサルタントも結構いますので、そういう人を積極的に見出してやってみる手もあるかも知れません。

ただし、気をつけなければならないのは、そういうコンサルタントというのはまさにピンキリであるという所。

僕がこれまで会った中で最低だったのは、「自分がYESと言えばどのVCも必ずYESと言う」、「僕は君の会社が気に入った。僕が気に入る会社というのは30社に1社しかない」という割には、1ヶ月間くらい「今日はVCが都合悪いみたい」だとか、「今日は僕が旅行中」だとか言って全く行動力がなかった上に、

「僕に行動を起こして欲しいなら、君と同じシェアがなければやる気がしない」

と、のたまった人でしょうか。

途中で何となく気づいてしまったので、「悪いけど、そんなに行動力がないとは思わなかった。この話はなかったことにしますから。バイバイキーン!」と契約前に申し出てスパリとサヨナラ。

そんな彼も、とある場所では結構有名な人なもんだから手がつけられません。

名前よりも実行力。
社員も同じですが、名前の通っている人ほど、「あまり行動してくれず、口だけ」という人が多いということがあります。もちろん、そうではない人も数多くいますが、口よりも行動が大事。一生懸命やってくれる人かどうか、2-3週間もあれば判断はできます。自分の判断を信じて良い人を見つけましょう。

さて、本題ですが実際にローカルのVCに行ってみて、特に大事なポイントと感じた箇所としては以下のようなものでした。

  • 製品/サービスのユニーク性(他社との違い)
  • チーム(誰がやるのか)
  • 開発、販売の現実性とマイルストーン

この辺は日本でも普遍的なものかも知れませんが、改めて細かい箇所まで説明しなければならないシーンが多かったです。
なので、この辺の答えはソラで暗記しておくと良いでしょう。いちいち聞かれる度にパワポを確認、というのは何だかちゃんと考えていないように見えちゃうので。

製品/サービスのユニーク性というのは、これがないようでは最初から無理です。
他社が既にリリースしているものと、同じようなものを開発した所でどうしようもありません。
大事なのは、「存在する市場(競合はいるが)」と、「その中でも一番ユニーク(競合よりも抜きん出た何か)」であることと言えましょう。

次のチームについては、もしもあなたが僕のように無名の人であれば、どうしようもない所でもあるため、せいぜい精一杯自分の履歴をアピールするくらいしかできません。

「俺ってスゴイ人ー!」って、ホントは全然スゴくないのに言わなければならない場面に遭遇って嫌なもんであります。オデコに嫌な汗・・・看護婦、汗!と言いたい衝動に駆られるくらい。で、ミーテイングが終わったら、大体オデコがテッカテカになっててなんかヒドイことになってるんですよ。

最後の現実性ですが、これはチームの所と交差する部分で、結局事業を実践するのは人であり、チームであります。
よって、現実性の部分は、「どのような人が責任を持ってやり抜くか」と聞かれていると思っていいでしょう。

チームがよければ、「このチームは過去に実績があるから今回もできる」ということを言えますし、逆にチームがなければ、「投資を得られれば、こういう能力を持った人を雇用することで実現可能だ」ということが言えます。

僕の場合だと、プレゼンの所でそれを自ら言います。先にここを突っ込まれてしまうと、「あ、いやチームさえあれば」となってしまい、どうも後付け的なイメージを持たれてしまいますが、自信満々で、「これこれこういう人を今探していて、シリーズAが終われば雇用できる。そうすれば必ず実現できる」と言えれば、また印象は違います。

実際に僕は現在、あらゆる方面から今後必要な人材を探し出して、「ファンディングが成功した暁にはうちの会社に来てくれ」と声を掛けている段階で、彼らの履歴書も必要あらば提出できる用意をしています。

ネガティブなイメージが持たれそうな所は、それを先に弱みと認識して考えておき、実践の場ではちゃんと弱みを認識しており、そこを補う努力をしている、という所をアピールした方が良いでしょう。

では続きはまた今度。

2008/01/10

Crysisきました

Crysisがやって参りました。



むほほほほほほほほ。


2008/01/05

役員・従業員への報酬

今日は、シリコンバレーのスタートアップ企業が自社の役員や従業員に対して、平均どのくらいの報酬を出しているかということについて見てみたいと思います。

僕にとっては、今回が2回目のスタートアップということもあり、この辺について大体の勘はつかんでいたつもりですが、5~6年くらい前と比べると、ストックオプション配分についてはそんなに変わりはないものの、平均給与については結構上がっているな、という感じ。あげルナー。


「なんで給与が上がったのか?」について、いろいろ話を聞いていると、

  1. Googleが平均給与を引き上げている
  2. 物価の上昇に伴う平均給与の上昇(特に不動産関係)

この辺が両輪となって頑張った結果、賃金が高騰している模様。バカ!Googleバカ!そしてサブプライムのバカ!

あ、サブプライム破裂はこれから不動産が安くなるからバカじゃないのか・・・

ちなみに、1.について、Googleが炸裂する前、同じくNetscapeが高い賃金で雇用を進めていた時代もあったらしく、結果、シリコンバレー全体の平均賃金が上昇したことがあったようであります。

2.については、さすがに最近はサブプライム関係でシリコンバレー界隈の不動産価格も落ちつくだろうとは言われているものの、昨今の原油高の影響で他の物価が高騰しているため、どうなんでしょうねぇ奥さん、というあたり。

そんなこんなで、まだまだこの辺に関しては平均賃金が極端に下がるということはなさそうであります。

さて、そんな感じですが、シリコンバレー界隈におけるスタートアップ企業達は現在、どのような報酬を支払っているのか、という部分については、Ask The VCのエントリーに先日掲載されていました。

ただ、注意しなければならないのは、特にストックオプション配分について、どのステージでのシェアなのか?という部分が不明瞭というあたりですが、僕の感触では、業種によって違いはあるものの、おそらくシリーズA~B後あたりだと思う。
コンシューマ系ソフトウェア企業の場合は、シリーズA後あたりじゃないかな。

ちなみにMedianというのは、中央値のことで平均値ではありまへん。簡単に言うと、全部足して割っている(これだと平均値)のではなく、実際に最も多い数値を表しているものです。
例えば、Founder CEOへの報酬で実際に一番多いのは、9.0%という具合。100人に聞いたら80人が9.0%でした、フ~ン。というような感じです。

一つ気をつけなければならないのは、VCがソース提供しているということ。
それが何を意味するかといえば、大体分かると思いますが、いずれにせよVCから資金調達を考えているスタートアップがあれば、あまりにかけ離れた報酬形態にはしない方が良いでしょう。

スタートアップをやっていると、いろいろな人と協力しながら前に進んでいかなければならないことも多いのですが、大体の人々がこのような前提条件を知らないため、平気で「10%のシェアをくれ」などと言ってくることがあります。

そして、創業者が無知だと、そんなもんかな?と渡してしまうことがありますが、それをやると、変なシェア状態を嫌がる役員やVCから、その後の雇用や資金調達が難しくなる可能性があり、後から「お金を出して買い取る・いや、買い取らせない」という事態に発展しかねません。というか、この微笑ましい光景をやっているスタートアップというのは結構多いです。

その他、従業員へのストックオプションの場合は、大体4年間くらいのVesting期間というのがあるのが通常で、この辺では、1年(25%)+36ヶ月(75%)という内容が多いと思います。
つまり、契約から丸一年経たないと最初の25%を行使する権利がなく、一年経過後は25%プラス毎月36回に渡って残りの行使権利が持てるようになるというもの。
会社を1年経たずに辞めてしまった場合は、ストックオプションを行使する権利がもらえません。

また、これは創業者であっても同じであり、創業者の場合はストックオプションだけならまだしも、創業時に持つ創業者株についても同じように適用されるのが普通です。

自分で出資してるのに、その時点では全部自分のものじゃないんですよ!これって何よ!と思いますが、そこはやはりアメリカ。創業者と言えども、前回の僕のようにアッサリとクビになったり、創業者が周りと敵対してとっとと辞めました、というような事態になった時、既に存在しない人なのに、いっぱい株を持ってるという変なシェア状態を避けるための措置なのです。

日本でもそうかも知れませんが、仮にその会社を創業した人であったとしても、その会社に属していない人にたくさんのシェアを持たれているという状態は問題があります。

そういうことを見越しての措置なんですな。でも俺にはくれ。

くれなさそうだから、もう寝る。

2008/01/01

2008年

あけましておめでとうござります。

アメリカは今日が1月1日です。

とはいえ、アメリカで過ごす正月は日本のそれとはちょっと違い、何と言うか、全然正月気分というものがありませぬ。


12月25日は休みですが、26日~31日まで普通に働いて、1月1日は休み。しかし、2日からは通常営業です。イラッサイマセー。
この季節になると、日本の年末年始休みが妙に恋しくなる今日この頃であります。

といいつつも、実をいうと僕は日本の年末~正月間の行事が一部馴染めず(なぜか年末になるとあちこち大掃除をしなくちゃならないプレッシャーを感じるだとか、正月そのものは何もすることがない等の諸問題。しかし、雑煮だとかお年玉は好きだった)、昔から、「僕の正月は6月12日にすることにした。雑煮は6月に食すもの」と宣言するような日本生活でありました。
今考ると、単に掃除したくなかっただけなのですが、なぜ俺正月を6月12日にしたのかは今でも謎・・・・

さて、僕の会社は2008年1月をもって設立から丸3年が経過し、これより4年目に突入します。

思えば今の会社を設立した2005年は、製品を作る年であったため、特に大きな売上げはなし。
2006年は、前の年に作った製品を売る年でしたが、これが100万ドル弱の売上げを記録。
2007年は、前の年の製品のブラッシュアップ+サポートと、また次の製品を作る年として一年間いろいろと試行錯誤しながらやてきました。

さて、2008年は去年から作り続けている製品をリリースする年ということもあり、段々とワクワク感も高まってきていますが、どうなることでしょう。と他人事のように語ってみるテスト。

ところで、今、開発している製品は元々の発想から少し方向性は変わっているものの、僕が会社を設立した2005年からやりたかったものでもあり、それだけにこれに賭ける思い入れも非常に強いものがあります。

2006年に売った製品については、Embeddedソフトウェアでしたが、売上げから見ても分かるように数は出たものの、NDA条項もありで僕の会社の製品であることをアピールすることもなかなか難しく、プレスリリースすら出すことが許されなかったという背景もあったのですが、今回の製品は完全自社製品であります。ヤホーイ!やっとここまで来た・・・でもよく考えたらなげー。という感じ。

構想が結構大きいこともあり、リリースするためにはまだまだやらねばならないことがたくさんありますが、周りの人達の協力で何とかここまで来れているという感じです。周りの方々、ありがとうぉぉぉぉぉおお!

さて、2008年も気負わず、惑わされず、これまで通り淡々とやるべきことをやる一年にしたいと思います。

では、今年もよろしくします。