2009/05/08

こんな時代

㌧フルの勢いある昨今ですが、家から徒歩5分圏内の学校で感染者が発生し、休校状態となりました。
いやはや、怖い昨今です。


でも誰もマスクなんぞつけてません。
その代わり、スーパーでは殺菌ペーパーを見かけるようになってきました。カートを触る前に掴む所を拭いてねって感じのやつです。

しかし・・・今、アメリカから日本に行ったら、「なんか変な菌がいっぱいいる汚い国から来た人」みたいな扱いを受けるみたいなので、日本行きには躊躇するところではあります。

ちなみに私の知人は、先日、日本で熱が出たため病院に行ったところ、「熱のあるガイジンがきてる!」みたいな感じですごい勢いで周りから避けられたとか。
今の日本で、ガイジンが熱を出したら大変な差別に合うという挑戦をしてくれた彼に乾杯。

ビジネス方面の話をすると、僕を含めて周りの現状としては、どうにかしてサービスをお金に換えるよう模索している所が多いと思います。一つでも機会を逃すとクローズする道しか残っていない状況なので、僕もですが皆必死。
また、可能性のありそうな土俵があるということになれば、iPhoneアプリのごとく皆一斉にそこへジャンプインするため、可能性のありそうな土俵もあっという間にレッドゾーン化し、結局儲かるのは胴元だけ・・・という図式になりがちです。

iPhoneアプリに関しては、反面、大企業は固い商売を心がけ、必ず売れるという商品のみにフォーカスして展開する傾向が強いため、スタートアップはその軸からズレた新しいジャンルでは勝負がしやすくなります。
例えば、大企業はそこに過去の実績が既にある「確実に売れそうなタイトル」を出してきます。それ以外の売れるかどうか分からないチャレンジングな商品をこういう時代にイチから制作することはあまりありません。

スタートアップは、大企業が景気の良い時代ならば、「ちょっと面白そうだからやってみようか」と手がけていたであろうジャンルに手を伸ばせば、そこに商機がある可能性が十分にありますし、そもそも少人数であればとりあえず自分達が食べていければいいわけですから、いろいろなチャレンジがしやすい時代ともいえます。

大企業に大きく出てもらうことで開拓部分(iPhoneアプリのユーザーへの認知)をお願いし、自分もちゃっかりそこで儲けるというストーリーを描ければ、少人数が生き残る分には十分でしょう。
とにかく、大企業とは同じ土俵で戦っても同じ技では対抗せずに、次の窓が開くまでコツコツと実績を積み上げていくことが大事です。

また、こういう時代においては、「大企業の定義」も考え直す必要があります。
何をもってして大企業か、と言われれば、普通は「従業員がたくさんいる」や、「売上げがたくさんある」、または「歴史が長い」などに囚われがちですが、そうではなく、「一般に固定化した商品イメージを植えつけることに成功した、もしくは成功しつつある企業」に変えた方が良いです。

WEBサービス企業でいうと、例えばAlexaやCompeteでそのサービスの月間ユニークビジターが50万~100万人を越えているようなサービスを持つ会社は、いかに1年前に創業した会社であろうが、「既に大企業」と捉えた方が良いでしょう。

そういったネットを味方につけたスタートアップは話題にもなりやすく、相手もまだスタートアップ(=こちらとたいして変わらない)だと思ってついつい似たようなことをやりたくもなりますが、そういう所とは一切、技で競わないことです。
似たような技ならば全然通じないと思った方がいいでしょう。

マーケティングなことに関しては、普通にYouTubeだとかWebのニュースやブロガーに依頼して掲載してもらうだとかは、既に使い古された感があり、かつ、たいして効果的でもありません。有名人の興すスタートアップならば話は別ですが、無名人ならばやらないよりは多少マシくらいな感じです。

僕が東京でゲームソフト会社をやっていた頃なので結構昔の話ですが、とある知り合いのゲームソフト会社がキャラクターの画像集やポスター類ではなく、ゲーム内に出てくる「きしめん」をコミケで販売した所、なぜかそれが話題となってニュースで取り上げられ、その効果できしめんが売り切れ御免となり、さらに「きしめん売り切れ状態継続中」が話題となって、「何だか知らないけど本体が売れた。きしめんの方が売れたけど」という訳の分からないマーケティングで大成功だったということがあります。(本人、狙ったわけではなさそうでしたが・・・)

特殊な例ですが、こういう時代はそういう発想こそが求められているのかも知れませぬ。