2008/02/29

GDCへ

先週、サンフランシスコで行われていたGDCに行ってきました。
(そして今週は中旬くらいまでStomach Fluで久々に熱も出て死んでました)

GDCは去年も行ったのですが、今年は去年よりも盛況でたくさんの人が訪れてました。


今年もキーノートでいろいろと面白い発表がありましたが、その辺はニュースを見るとして、実際の会場の雰囲気としては、E3にちょっとだけ近づいているような、何と言うか去年よりも幅広い向けの展示が増えていたような気がします。とはいえ、E3よりかはまだまだゲーム関係者向けの色が濃いのですが。

目立った部分といえば、ゲームプラットフォームエンジンの展示が増えたというあたり。
去年は、Crytekエンジンなんかが目立っていましたが、今年はCrytek2の他にもさまざまなプラットフォームエンジンが展示されてました。

あと、注目だったのは、NeuroSky社の製品。
ここはたぶん会場一のすごい人だかりで、遠巻きに見つめるだけしかできず。
どういうものかというと、集中していたり、リラックスしている時に出る脳波を特定の観測機器で測定し、取得データを簡易的にゲームに応用しているというもの。

ヘッドセット形状なデバイスを装着して、集中するとディスプレイ上のキャラクターが箱を持ち上げたり、火を燃やしたりといろんなことをしてくれます。うーん、ネンリキー。

モノは下の写真みたいなやつです。



装着すると、以下のようにヘッドセットのアーム部分から伸びた脳波測定器がオデコに接触、この一点から出る脳波を測定して、データに変換し、いろいろな用途に使うというもの。この日はGDCなのでゲーム用途として展示していましたが。




ちなみに2日目も遠巻きにボーと見ていたら、スタッフの人が話しかけてくれて、後日会社に案内してくれることになり、さっそく後日、サンノゼの本社でしっかりと遊ばさせてもらうことに成功。

一つ分かったことは、「目をつぶっていないと集中とかリラックスが難しい」ということでありました。
目を開けて画面を見るとすぐに脳波が乱れる・・・うう、ゲーム画面は見たいが、見るとダメみたいな、このモヤモヤ感よ。
画面を下手に見て、「落ち着け、俺の脳波!」とイキごんじゃうとすんごい乱れ方とかして、それはそれでまた面白いんですがね。(で、それを見て笑っちゃうともうダメで、全然ゲームにならず)

でも慣れると目を開けたまま集中したりリラックスしたりできるようになるようです。
あと、これは脳波の入力装置しかなく、デバイスから出力するものは無いようなので、健康に害はないようです。

これって、ゲームで言えばWiiあたりに最適なデバイスかも知れませんな。


2008/02/15

競争の時代

ここ最近、シリコンバレーのVCと話を重ねていて感じることは、

  • シリコンバレー以外の世界に注目しているキャピタリストが多い

ということ。

「そのプランは、どこどこの国のナニナニという会社もやっている。自分はどこどこの国のサービスが面白いと思う。」という会話もローカルのVCとの話の中ではごく普通な状態でして、なるほど彼らもシリコンバレーやアメリカだけを特別視して追っているわけじゃないのね・・・と思う次第です。(特に今、シリコンバレースタートアップのExit景気も厳しい状況だしね・・・)

じゃあ、どこを見ているのか?については、予想通りかも知れませんが、キャピタリストの多くが中国の方向を向いていて、日本の話題が出ることはほとんどナッシング。

たまに、ジャンルによっては日本のスタートアップのサービスも話題に出ますが(「顔ちぇき」と「ニコニコ動画」は前に話題に出たことがある)、ソフトウェアサービスのジャンルでも携帯のジャンルでもやっぱり中国が一番気になる様子であります。

実際にローカルVCのポートフォリオを見ていると、中国系のスタートアップも最近はよく見ることができるので、既にシリコンバレーのスタートアップと中国を始めとする海外のスタートアップとの間では、資金調達面においてもう競争局面に入っているんじゃないかと思う。
(同じことをやるなら、実際、中国の方が資金調達しやすいかも知れないよ。)

スタートアップの方に目を向けてみると、これまた中国に制作拠点を移転している所も多く見かけます。
僕の前回のスタートアップも以前は中国に開発拠点を置いていたことがあったり、また現在も中国のアウトソージング会社と一緒に仕事をしてたりするので、個人的にも実に身近な国、それが中国という具合。

その他、僕の会社の開発作業の場合、中国のアウトソージング会社以外にも、直接メキシコ人やロシア人とCoderサイトを通じて一緒に開発作業もしているため、もはや生産地がどこだかよく分からない状態であります。(加工食品みたいなものだからパッケージに原産地表示しなくていいんだよね?w)

とにかく、「その分野に精通した人と、ネットを通じて一緒に仕事をする」という状態が、ここ最近普通になってきているわけです。

さらに、出来上がった製品もアメリカのみならず、幅広く世の中の人々に使ってもらうわけだから、「本社のみがシリコンバレーにある。」という状態になるでしょう。

これからは、

資金も、サービスも、働く人も、流れる情報も、仕事のやり方も、国を飛び越えてより良いモノのみを求めて流れていく。

普通にそんな時代になっていくだろうと思う。

これは、スタートアップやそこで働く人がどこの国に存在しようが、「仕事を作る、仕事に就く、資金調達する、製品を売る」という面において、まとめて世界的な競争をしなければならない時代へと本格的に突入しつつあるという意味もあるだろうし、実際にソフトウェアサービスにおいても、先ほどの「キャピタリストが中国を見ている」という話じゃないけど、既に多くの国がシリコンバレーのスタートアップをキャッチアップしつつあり、さらにシリコンバレーの資金を獲得しているという流れがあるわけです。

これまでは、

1. シリコンバレーのスタートアップが面白いサービスを開始
2. シリコンバレーVCがそこへ集中投資
3. そのサービスがローカルで話題を呼び、
4. 海外のアンテナ感度の高い人々に飛び火していくと、
5. 海外でもパクリサービスがたくさん出てくる
6. シリコンバレースタートアップと海外スタートアップによる顧客争奪戦

というような流れがあり、つまり「世界的な競争」と言えば、主に製品やサービスの顧客争奪戦でのみ使われていたんだけど、最近は、
  • 働き手を獲得する
  • 資金調達をする
  • 就職する
と、これらについても世界的に競争していかにゃならん状況に近づいてきている。

「働き手を獲得する」については、まだ海外の人材について獲得しづらいという実感はあまりないものの、oDeskなんかを見ていると、レイティングの高い人はなかなか余っていなかったりするので、ここも「競争過多時代」と認識できるようになるのは時間の問題だろうと思う。

競争は全ての面においてローカルに限らず世界的に。発想もチームも「当然」全世界を捉えて考えていくという時代へ。
こりゃ、うかうかしてられませんな。

これまでも、シリコンバレーや日本のソフトウェア系のスタートアップ達は、「国にこだわらず、なるべくいい人とチームを作り、自社製品を世界中に売りたい・使われる世の中にしたい」という願望はあったはずだけど、やっと環境がそろそろ追いついてきましたよ・・・と思ってたら、あっという間に飛び越えて次へ行ってしまいましたよという感じ。

何かあれだね、ZoomInfoとかLinkedInとか、oDeskあたりを混ぜ合わせて120発くらいパンチすると、そういう時代にマッチしたサービスを提供できそうな気がしますな。

あとは時差の解決だな・・・うん。でもそればかりは無理だからもう寝る。

2008/02/07

最近

ありゃっ、あっという間にもう2月!

とりあえず、先月末は去年の会計レビューが3日間あったのですが、それがほぼ終了して一安心といった所です。

その他、最近は少しづつではありますが新製品も形になりつつあり、資金調達の方も何とかなりそう(だがまだ決定打がない)という気配になってきました。


VCの方は、これまでは割とアッサリ断れるという流れが続いていましたが、最近はようやく中身をちゃんと見てくれる所が現れ始めている段階であります。(やっぱ紹介は大事ね)

メールだけで断られるのを含めると、もうたくさん断られてる気がする。(10から先は、断られる度にハイテンションになっちゃって数えてないw)

メゲないこと。これ大事ね。

たくさん断られても、自分の考えている内容を変えるつもりはないので、当たるまで掘り続けるのみなわけであります。

そういえば、そんなことを続けていて、ふと昔のことを思い出した。

もう12-13年くらい昔の話ですが、アルミサッシとか海産物の訪問販売をしてたことがあります。
が、訪問販売というのはエラく効率の悪い商売で、玄関でピンポン鳴らしても半分以上が留守。仮に人がいたとしてもドアを開けてくれるのは100軒に一軒みたいな世界なんですよ。

ドアを開けてくれても、そのほとんどが、「必要ありません」でガチャ切り。ま、当然なんですが。
で、あの頃は、どうやってドアから先に入るかを考えるのが楽しくて、本業のソフトウェアそっちのけで訪問販売のバイトをしてたっけなぁ。。。

その内、例えばアルミサッシならば、新築の家の方が導入してもらいやすい(新しい家だと、いろいろと手を入れたいと考えている人が多い)とか、そういう勘がつかめてくるんだけど、そういう勘というのはやっぱり毎日何軒も当たらないと出てこないわけです。

そんな当時のことを振り返ると、シリコンバレーのVC達は、ガチャ切りということはあまりなく、むしろ「こうすると良いよ」とアドバイスまでくれるわけだから、何かとても優しい。

さて、また頑張るか!