2008/01/29

資金調達活動中 (3)

こんにちわ。

今日も淡々と現地VCに当たってみた結果報告をしたいと思います。


前回は・・・、ええと6社からダメ出し中でしたね。
今日また新たに2社からダメ出しを食らいましたので、その理由を書いて行きまSHOW!!

W社:
not appropriate (問題外)

以上!

というか、ここには知り合いがいないので、ロクに面接までたどり着くことができませんでした。
まぁネットワークがないとこんなもんです。ハイ。

T社:
ここからは結構ちゃんとした断り文句が返ってきました。

Thank you for thinking of us. I had a look at this and conclude that it’s not a fit for us. There are 2 primary reasons: the market is not one that we find compelling at this time because it’s frothy and crowded, and as a fund we have significant exposure to ***** as a category. Also, we typically invest in initial rounds of under $3mm, so your $5mm raise is too large for us structurally.

We wish you the best success in completing the financing. Let me know what I can do to help.

Best,


いや、大失敗したんだけど、500万ドル必要だと言ってしまいました・・・。

こことは、前回のエントリー前から話を進めていたため、

■ 必要資金額をもう一回練り直し
(最低額をもう一度見直し、訪問するVCのファンドサイズ、ファンドを組んだ時期を見て最適化してみる)

↑これができていなかったことが悔やまれる。(前回の反省による今後の行動指針)

ま、しかし本当の理由は太文字の所あたりだと思うので、いずれにせよ撃沈したはず。。。はずだよね?はず?・・・誰か「そうのはず!」って言って!!500万ドルて言った僕のせいじゃないって誰か言って!!誰か!!

でもまぁ、とてもいい人なので、彼からまた次を紹介してもらうことにしよう。(と、最後の一文を本気にしてみる)

とりあえず、上記2社からのメッセージも鑑みると、どうやら僕の会社は混みあっている業界に立っている。
確かに混みあっているといえば、ここ1年くらいで混み合ってきた業界で間違いないと思うけど、今後、花開くであろう業界に新しい機軸を持って参入!って、ひょっとしてマズイのか?僕らのは、Kick-Ass Productに見えない?

一応差別化はしてあるんだけどな。絶対いけるんだけどな。。。いけるよね?・・・イケる?・・・イケ・

誰かイケてる!って言って!僕のアイデアは最高だよ、こりゃ間違いナシって今スグ誰か言って!誰か!!

とまぁ、現段階で合計8社からダメ出しを食らってしまったワケですが、まだ話を続けてる所や今後新たに話を進める所もあるので、これからに期待チュウ!

今さらながら、「not appropriate (問題外)」と一言で返してきたW社がなんかムカついてきたのでもう寝る。

2008/01/21

ビジネスプランについて

そういえば、以前ビジネスプランの内容をアップすると宣言しておいて、その後忘れてました。
例の12 Magic Slidesというやつ。

どうもこの定型は、とあるシリコンバレー在住の経営コンサルタントが好意で作ったもののようですが、先日、なぜか僕も知人経由で手に入れることができたので、せっかくだからここに公開していきます。(怒られないよね?)

ちなみに、今となっては、ローカルのVCから「最近のは同じ型ばっかだな~」と言われるにまで浸透したこの形式ですが、読み返してみると、エグゼクティブサマリーの内容そのままみたいな感じなので、サマリーが先にできていれば、こっちは作りやすいかと思われます。

さて、では以下に内容を示していきます。


準備について
その前に準備体操を一つ。
以下、スライドを作成する前、およびプレゼン前の準備項目です。
  • 各々のスライドの行は、5-10行間で作成する
  • スライドは、会社名とロゴを入れたオリジナルなものを作る
  • プレゼン前に、チームメンバーの紹介をサラっと30秒くらいで説明
  • プレゼン前に、市場概要と現状の問題、顧客の説明、自社のユニークな部分を軽く30秒くらいで説明
  • プレゼン前に、会社の沿革を↑こう思うに至った経緯を含めて1分くらいで説明(信頼できるソースがあれば、そのことについてもサラリと事前に言及しておく)
準備については以上ですが、ちと二つほど注意点があります。

一つ目は、一枚のスライドに細かい文字で詰めすぎないという点です。
「言いたいことを全部詰め込みたい!」と、細かい文字で内容を詰めすぎてしまうと、かえって見づらくなり、見てもらえなくなります。(相手が老眼だったらもう終わり)
中身は、インパクトのある箇所のみ記載し、それ以外は全て口頭で説明するだけで良いです。

二つ目は、全ての情報を詰めなくてもいいという点です。
これは一つ目に似ていますが、一つ目は「単に分かりやすくする」という意味で中身を詰めすぎない、という内容でしたが、二つ目は自社にとって最も重要な情報は、「あえてぼかして書くか、もしくは書かない」という意味です。

普通、VCとはNDAを結びませんから、自社の情報が後でどうなるかは分かりません。ポロっと話をされたことが競合他社に伝わり、実装されてしまう可能性だって否定はできないわけです。(VC経由で情報が流出したかどうかの本当の所は分かりませんが、こういう事件は実際に時たま耳にすることがありますし、他のアントレプレナーの中にも核心情報の取り扱いには注意しているという人が結構います)

とはいえ、シリコンバレーというアントレプレナーの多い土地柄も考えた場合、同じ時期に同じようなことを実行している人も多いだろうこともあり、偶然であることの可能性の方が高いとは思いますが、一応念のため、もしも肝となる核心部分があれば、2回目以降のミーティング時に話をする等、取り扱いには気をつけておいた方が良いでしょう。

さて、では実際のスライド内容の説明に行きましょう。

Title Slide
タイトルスライドはトップのカバーページのことです。
以下、タイトルスライドに必要な情報ですが、スライドに関しては、予め自社のフォーマットを作っておいた方が良いでしょう。
  • 社名
  • 作成日付
  • 相手(VC)の社名
  • 会社のロゴ
  • キャッチコピー(一言で)
  • いくら必要としているか?
カバーページには上記の情報を記載しておきます。


1. Over View
スライドの一枚目は、Over Viewです。
ここで相手の注目を引き寄せることができないと、その後の発展が難しいということみたいです。

以下、掲載例です。
  • 簡易市場説明 (この市場は今後5年間でこのように大きく伸びると予測されている!等をソース付で)
  • 2~5のインパクトのあるメッセージを準備 (例:Fortune 100のTOP5に入る企業が弊社製品のベータ版を現在使っており、正式版リリース後には必ず製品を購入するという内容の契約済み!等)

2. The problem
二枚目は、現状の問題点説明です。
  • 何が問題か?を短く説明(例:現状のシステムはココがおかしい!)
  • 数字で具体的な要素を出す(例:顧客は年間100億円もの無駄なコストを支払っている!顧客は年間30%もの無駄な時間を旧システムに費やしている!等)
  • それら情報の具体的なソースがあれば提示する

3. The Solution
三枚目は、問題点を解決するソリューションの説明です。ここは非常に重要で、このページの説明が終わった所で相手の顔色に変化がなかったらオシマイと言われていますので、気合を入れて説明しましょう。
  • 製品/サービスのメインを分かりやすく手短に記載
  • その製品/サービスで何が顧客の大きなベネフィットとなるのかを記載
  • 製品/サービスの簡単な組み合わせ図を記載
※ さて、この説明が終わった所で相手の顔色を見てみましょう。つまらなさそうですか?そうですか、じゃあオシマイです。ここから先は世間話でもしておきましょう。題材はそうですね、「ジョジョの奇妙な冒険」についてでいかがでしょうか。ナニ?興味を持っているようだ?そうですか、じゃあジョジョを封印して次のページへレッツらゴン!


4. Opportunity and Market
ここでは主に、自社製品/サービスにおける市場性を説明します。
  • マーケットの動向(5年後の全体マーケットサイズと、自社がフォーカスする分野のマーケットサイズ)
  • 5年後に自社が市場の中で何%のシェアを取るのか?(と、なぜ取れるのか?という説明)
※ グラフで記載するのが望ましい。
※ 自社の売上げが5年後に$100ミリオン達成!となるような市場性のある分野が望ましい。


5. Technology
ここでは、自社製品のアーキテクチャを説明します。
できるだけ相手に分かりやすく説明するため、ダイアグラムを用いたスライドの作成が必須であります。
  • 技術の全体像(コアと周りの技術を分かりやすく積み木のように掲載。よく見かけると思いますが、一番下にサービス・プラットフォームがあって、真ん中にサービス・フレームワークがあって、一番上がサービス・インターフェース+矢印がサービスをデリバリーする顧客に伸びているとかのアレですアレ。母さーん、アレ取ってー)
  • 自社技術とビジネスの橋渡し部分を掲載 (その技術が誰のどこの部分で使われるのか?)

6. Unique Competitive Advantages
6枚目では、自社が競合と比べてどのような特徴があるかを説明しますが、技術面でユニークである以外にも、他社に比べてチーム内に豊富な経験を持った人材がいるだとか、他社にはないようなパートナーが既に存在しているだとか、IPを保有しているだとかの情報を記載します。俺は他の連中とは違うぜ~!という部分を思い切り書き出して下さい。

と同時に、それらに対する質問の答えを以下のように用意しておきます。
  • 自社のみが持つユニークさであるか?(YES or NOだけど、NOならそれはユニークとは言わない・・・)
  • 他社に比べて自社のユニークさは10倍以上のアドバンテージがあると思われるか?(ちょっとこれは何の10倍なのか根拠に欠けますが、一応書いておきます)
  • どれくらいの期間、その優位性が続くと考えられるか?(1年以上と答えられるようにしておいた方がいいでしょう。もちろんその理由も)
  • 顧客はなぜそのユニークさに惹かれるのか?(なぜ顧客はあなたの会社の製品を使うの?)

ようするに、他社に比べて競争優位な部分の説明と、それが本当に優位であるかどうかを確認する部分ですが、以前のエントリーでも触れていますので確認して下さいまし。


7. Competitive Landscape
7枚目では、競合と自社を含めて何が技術的に違うのかという部分の説明です。他社製品と自社製品の機能差を表にしているような図って巷によくありますが、まさにそれ。
ちなみに僕は6と7を、7を中心に一枚のスライドにしています。

※ ここで、気をつける箇所
  • 競合はいないと言ってはいけない→前にも説明しましたが、「市場がない」の裏返しです
  • 自社の持つ機能で強調したい部分は思い切り強調して書く
  • 顧客を中心とした観点から見る (細かい箇所を競ってもダメで、顧客がこれがあるから使う!というような部分を記載)

8. Go to Market Strategy
マーケットにどういう戦略を持って参入するのか、しているのかを説明します。図で記載するのが望ましいです。
  • 顧客のプロフィール (誰が顧客なのか?まだいなければ、想定顧客は誰なのか?)
  • パートナーのプロフィール (誰があなたのパートナーなのか?)
  • 誰がどのようにあなたの会社の製品/サービスを販売するのか?
  • 価格はどのくらいを想定しているか?
  • どのように顧客を見つけ出すのか?
  • バリューチェーン、セールスサイクルの説明
  • マーケット戦略において、他社との違いがあればその説明
  • マーケットの市場性

9. Finantial Roalmap
5年間のファイナンシャルロードマップを記載。(横は年表示。縦には売上、費用、税引き前利益、投資額、ヘッドカウント、顧客数というのが普通)
  • シリーズAとしていついくら必要であり、シリーズBがあるのならばいついくらになるか、ということも掲載。
  • 投資資金の使い道の記載 (ここまで製品化する、こういう企業とパートナーシップを結ぶ等)
※ ここで気をつける箇所
  • ちゃんと自社のビジネスモデルを理解して書いているか?(このビジネスモデルでこの売上げはねぇだろ!というようなプランではないということが大事。現実が見えているかどうか試される所です)

10. The Team
チームメンバー紹介です。これまでの経歴等を思い切り褒めちぎって書きましょー!

ちなみに僕はいつもここで変な汗をかきますが何か?


11. Current Status
現状と今後のマイルストーン説明です。
現状では何が終わっているのか?(技術開発、ビジネス開発含め)また、今後どのようなマイルストーンがあり、いつそれが終わるのか?
ちなみに僕の場合は、今から1年間分と今後5年間分くらいのタイムラインの図を2つ用いてマイルストーン説明しています。
1年間分の方はより詳細に、5年間分の方は大体の目安として、というような内容ですな。


12. Summary
最後はサマリーで最も印象に残したい内容を3つにまとめ、短く箇条書きにします。以下はその例。
  • 市場の説明 (この市場は必ず大きく花開く!他社よりもアドバンテージがある!等)
  • (見込み)顧客情報、パートナー情報 (現状を記載)
  • VCにサポートして欲しい内容 (Financingやチームの強化等)

プレゼン終了後
プレゼンの終了後は、以下のことを忘れずにフォローします。
  • 内容全体についての感想及び意見交換
  • どのような過程を経て投資をクローズさせるのか、というあたりを確認
  • フォローアップミーティングのセットアップ(もしできれば)

その他
僕の場合は、ビジネスプランに入らなかった部分を別途以下のようにAppendixとして、ビジネスプラン本体とは切り離して追加しています。
以下は参照程度に参照参照。(いかん、疲れてきた)
  • ミッション
  • 製品のスクリーンショット (デモで見せられる以外の部分)
  • 製品の機能詳細
  • ターゲット顧客の概要
  • ターゲット顧客のバリュー
  • どう顧客に製品を届けるのか、という部分の詳細戦略
  • 顧客をどう保持し続けるのか、という部分の詳細説明
  • 競合情報のさらなる詳細
  • 自社製品の市場位置づけ (マトリックスを用いて表示)
  • アクション・マトリックス (製品の中で、どの機能を捨てて何を加えるのかという部分をマトリックス表示)
  • なぜこのビジネスモデルなのか?の詳細説明
  • 組織図
  • ビジネス上のマイルストーン (Exitまでを記載)
  • 会社沿革
  • 製品のバックグラウンドとなるテクノロジーについての説明
  • Exit Plan
  • マーケットのニュースクリップ (ビジネスプランで用いたソース他)

とまぁ、12 Magic Slidesはこんな感じです。
いかがでしたでしょうか?

ふと思ったのですが、これって特にVCに対するプレゼン以外でも使えますな。
例えば、車を買う時に嫁さんを説得するために使うだとか・・・現状の車の問題点はこうで、欲しい車はそのソリューションを持っている!みたいな。
まぁ、「チームメンバー俺一人!」みたいな感じになっちゃうでしょうが。

あと、プロポーズとかでも使えるんじゃ・・・?

ただ、プロポーズで使う場合は、「The Problem~君の問題点~」や、「Go To 君 Strategy」の使用には十分に配慮することが必要。
もちろん、「君という市場に競合はいない」などとは言ってはいけませぬ。(競合がいたらいたで問題だけど)

では、これらを駆使して資料作りを頑張りましょー!

2008/01/17

資金調達活動中 (2)

こんにつわ。

今日はこれまでにシリコンバレーのローカルVCへ当たった途中結果を報告していきたいと思います。

とりあえずダメだったものからいってみましょう!


最初に僕の会社のことを少し書いておきます。

■ 業種:ソフトウェアサービス
コンシューマ向けソフトウェアです。

■ 調達目標金額:300万ドル前後(最低200万ドル)
リリースするまでなら、あと50~60万ドル程で可能と試算。
300万ドルあれば、運営に必要な人を確保してギリギリ2年程生きられて、その間にブレーク・イーブンまで達成できるという計画。(400万ドルあれば余裕が出る計算)

■ 現在のマイルストーン:Proto version
Alphaまでもうちょっとだけど、とりあえずベータのローンチまであと3名程エンジニアが欲しい。

■ その他:
これまでに、約50万ドルをエンジェルインベスター経由で調達済み。

以上です。

では、さっそくダメだった所の内容を以下に示していきまSHOW!

O社:
ここはかなり良い感じでプレゼンができた。担当もCo-Founderだったので決定権があるはず。
と、思いきや、ここはファンドサイズが5,000万ドル程度だったので、最低200万ドルという数字がデカ過ぎると言われる。
そうだよなー、5,000万ドルしかない所から200万ドルもらったら、そのVCのポートフォリオのうち4%を占めちゃうことになる。そら無理だー・・・。とは言いつつも、「じゃあ、200万ドルのうち50万ドルくらいは?」と聞いてみるも、このVCは、50~100万ドルくらいの投資で15~20%くらいのシェアを持つ戦略であるということ。ということで、シェアが持てないという理由で却下。残念。サイナラ。

D社:
ここは最もひどかった。最初から冷たい対応で質問もネガティブなものばかり。というか、担当者がいやにネガティィィブ。
同じ業界に投資をして過去うまくいったためしがないらしく、「本当にできるの?」という質問を連発された。
「今までのはお前の目が悪かっただけじゃい!」とキレそうになる。
しかも、ミーティング後は連絡しても返事なし。断った理由もなし。セコイアだって理由くらいは教えてくれたっつの!バーカバーカ!と子供並みの逆ギレと共にサイナラ。

C社:
ここは本命だった。僕達の担当者が業界に詳しく、かつ有名人であったこともあり、きっと違いを分かってくれるはずだと信じてプレゼンに望む。
プレゼンはかなり良い感じで進み、その担当者も僕達のプロトを絶賛。「こんなユニークなアイデアはこれまで見たことない!」とまで言われ、「次のミーティングをすぐにセットアップしましょう」と話が進む。

ウヒョー、キタかキタかーー?!と思った。

ところが、どうも上司から却下されちゃったらしい・・・。
「君、この業界にはもう既に6社に投資してるから、今後しばらくはポートフォリオ達の様子を見ろ」と言われた旨を通知され、しばし打ちひしがれる。うひぃ、上司ー!セクスィ上司ィー!
そうなんだよー、業界に精通した人がいるのでここは本命だったんだけど、それゆえ既に同じ業界の多数のスタートアップに投資を行っていたため、滑り込みアウト!といった所だった。もう少し早く動いていれば・・・。

R社:
ここは、あっさり。
「既に同じ業界の2社へ投資してるのでお腹いっぱい」
以上。

ま、細かく言えばセグメントは違うんだけど、ここまであっさりされると何かすがすがしい。うーん、カリフォーニャ!

S社:
ここもあっさり。
「売上げか、顧客の存在が確認できないと無理だからまた来てね」
以上。

M社:引き続きお話中
ここは現在進行中でもあるんだけど、たぶん投資そのものはダメなのでダメリストとして記載しておこう。
ちょっと名前の通った人の紹介であったため、出だしは良かったけど、既に同じような業界の有力な1社に投資しているため、そこに会社を売らないか?と提案を受ける。

その有力なポートフォリオは既に大幅黒字を達成しており、それを間近で見ているM社もこの業界そのものや、僕達のサービスについてかなりの興味を持っていた。というか、今なお持っている様子。
細かく言うと、ターゲット層だとかマーケットそのものが違うので、同じ業界といえども違いはあるんだけど、ちゃんと精通している人でなければ、その辺の見分けはつかないんだろうなぁ・・・。そういう意味では、C社の担当者がここに欲しかった。


現状の総論
さて、これまでの所、断られたVCについては以下の点が共通していたと思うので記載しときましょう。

  • 大体のVCは、同じ業界で2社以上に投資していればもうお腹いっぱい。
  • 同じ業界のスタートアップの違いが分かる担当者というのは少ない。
  • やはり製品のリリース前というのは評価が厳しい。顧客が既にいればもっと楽になると思う。

競合他社との差別化については、十分考えてビジネスプランを持って行っていたし、直接競合に投資しているVCは避けていたわけですが、担当者がその業界をあまり知っていなければ、差別化要因の理解もなく、同じ業界として括られるため、「他社との差別化」に捉われていてもあまり意味はないと思った。

例えばゲーム業界ならば、FPSだとかMMORPG、カジュアルゲームだとかでマーケットの種類に違いはあるし、またGameSpyのようにプラットフォームそのものではなく、コミュニティやツール類を運営している会社もあるんだけど、こういうのをひっくるめて「同じ業界」という形にされてしまうので、やはり結果で違いを見せるしか方法はないと思う。

まー、つまりVCはみんな忙しいんですな。一つの業界におけるスタートアップ間の細かな違いまで判別している暇は、よほどでないとないと思われます。。。か、もしくは僕のプランがあまりにつまんなく、断り文句として「お腹いっぱい」を使っているかのどちらか。


これからの展望
さて、引き続いて話を継続している所もありますが、今後は上記を踏まえて以下のように新たな行動をしていくつもりであります。

■ 必要資金額をもう一回練り直し
(最低額をもう一度見直し、訪問するVCのファンドサイズ、ファンドを組んだ時期を見て最適化してみる)

■ 同じ業界に投資していないVCや海外のVCを狙う
(これまでは、同じ業界のスタートアップに投資経験のあるVCの方がいいかと思っていたけど、結果が全く逆だったので。あと、アメリカ以外のVCでもいいかも知れないと考え中。ただ、日本のVCは当地ではリードを取りたがらないので無理だろうなぁ。台湾あたりにでも行ってみるかな)

■ VC以外での生き残り方法を模索する
(やはり製品をリリースして顧客がついていることを証明しないとVCは厳しい・・・)

とまぁ、こんな所ですかね。


おまけ

そういや、Executive Summaryだとかビジネスプランですが、「最近同じ型ばっかりなんだよね、この型って流行ってるの?」と聞かれた(笑
僕が前に書いたような内容って、既に現地ではマニュアル化しているみたいで、まるで90年代のメンズノンノとか見てそのまんまマネするマニュアル君みたいな見られ方をされてハズカシー!と感じたので、ちょっと凝ってみてもいいとオモタよ。

これからは、ちょっとだけオレ流を入れることにしようと模索中。

2008/01/14

資金調達活動中 (1)

こんにちわ。

現在、僕はローカルのVCに対してシリーズAの資金調達活動を行っていると共に、それまでのブリッジとしてConvertible Notesを用い、個人投資家への体当たり活動を行っています。

今日は、実際にシリコンバレーのVC巡りを行って思ったことなどをつらつらと書いて参りましょう。


さて、当地にはたくさんの数のVCが存在しますが、日本と違う所はそれぞれのVCが大体の得意分野を持っているというところです。
日本の場合は、VC自体の数がそんなに多くないため、一人で多くの業界にまたがって案件を抱えなければならない場合や、あえて業種というよりも地方に根ざした活動をしているVCも存在します。

もちろん、当地でもいろいろな分野に投資している規模の大きいVCもありますが、そういうVCはアーリーステージのスタートアップにはあまり投資をしませんので、基本的に最初のファンドは、1億ドルクラスくらいまでのファンドサイズを持ち、アーリーステージへの投資も積極的で、かつ投資分野も拡散していないようなVCから投資を受けることが理想的です。

ですので、自分の会社の業種が何であり、どのようなVCだと好まれそうなのか、というあたりからVC選びというものを始めていかなければなりませぬ。

「Siliconvalley VC」でこの辺を検索すると、いろいろ出てきますので、それらVCのポートフォリオを眺めながら、そのVCがどういった業種を好んで投資しているかを見てみると良いでしょう。
ただし、次回書きますが、自分の会社と同じ業界にいくつも投資しているVCは、「もうお腹いっぱい」と断られる可能性が高いので、例えば「ソフトウェアか半導体か」、「コンシューマ系主体か、それともエンタープライズ系主体か」といったような、かなりざっくりとした形で見た方が良いと思われます。

次に、実際にVCに当たる際ですが、どのVCもWEBサイトでメールアドレスを公開している等、オープンにしているように見えますが、そのままメールを送ってみてもきちんとした返事をもらえる確率というのはほぼナッシングと思った方が良いです。
これは僕がやってみて実際にそのような結果であったため、胸を張って言えることであります。(こんなことで胸を張ってみる)

一番近い方法は、VCと既に何らかの接点を持っているような人にヘビのごとくソロリと近寄りつつ、アドバイスをもらいながら紹介してもらうという手です。
シリコンバレーには、そのような仕事を個人的に行っているコンサルタントも結構いますので、そういう人を積極的に見出してやってみる手もあるかも知れません。

ただし、気をつけなければならないのは、そういうコンサルタントというのはまさにピンキリであるという所。

僕がこれまで会った中で最低だったのは、「自分がYESと言えばどのVCも必ずYESと言う」、「僕は君の会社が気に入った。僕が気に入る会社というのは30社に1社しかない」という割には、1ヶ月間くらい「今日はVCが都合悪いみたい」だとか、「今日は僕が旅行中」だとか言って全く行動力がなかった上に、

「僕に行動を起こして欲しいなら、君と同じシェアがなければやる気がしない」

と、のたまった人でしょうか。

途中で何となく気づいてしまったので、「悪いけど、そんなに行動力がないとは思わなかった。この話はなかったことにしますから。バイバイキーン!」と契約前に申し出てスパリとサヨナラ。

そんな彼も、とある場所では結構有名な人なもんだから手がつけられません。

名前よりも実行力。
社員も同じですが、名前の通っている人ほど、「あまり行動してくれず、口だけ」という人が多いということがあります。もちろん、そうではない人も数多くいますが、口よりも行動が大事。一生懸命やってくれる人かどうか、2-3週間もあれば判断はできます。自分の判断を信じて良い人を見つけましょう。

さて、本題ですが実際にローカルのVCに行ってみて、特に大事なポイントと感じた箇所としては以下のようなものでした。

  • 製品/サービスのユニーク性(他社との違い)
  • チーム(誰がやるのか)
  • 開発、販売の現実性とマイルストーン

この辺は日本でも普遍的なものかも知れませんが、改めて細かい箇所まで説明しなければならないシーンが多かったです。
なので、この辺の答えはソラで暗記しておくと良いでしょう。いちいち聞かれる度にパワポを確認、というのは何だかちゃんと考えていないように見えちゃうので。

製品/サービスのユニーク性というのは、これがないようでは最初から無理です。
他社が既にリリースしているものと、同じようなものを開発した所でどうしようもありません。
大事なのは、「存在する市場(競合はいるが)」と、「その中でも一番ユニーク(競合よりも抜きん出た何か)」であることと言えましょう。

次のチームについては、もしもあなたが僕のように無名の人であれば、どうしようもない所でもあるため、せいぜい精一杯自分の履歴をアピールするくらいしかできません。

「俺ってスゴイ人ー!」って、ホントは全然スゴくないのに言わなければならない場面に遭遇って嫌なもんであります。オデコに嫌な汗・・・看護婦、汗!と言いたい衝動に駆られるくらい。で、ミーテイングが終わったら、大体オデコがテッカテカになっててなんかヒドイことになってるんですよ。

最後の現実性ですが、これはチームの所と交差する部分で、結局事業を実践するのは人であり、チームであります。
よって、現実性の部分は、「どのような人が責任を持ってやり抜くか」と聞かれていると思っていいでしょう。

チームがよければ、「このチームは過去に実績があるから今回もできる」ということを言えますし、逆にチームがなければ、「投資を得られれば、こういう能力を持った人を雇用することで実現可能だ」ということが言えます。

僕の場合だと、プレゼンの所でそれを自ら言います。先にここを突っ込まれてしまうと、「あ、いやチームさえあれば」となってしまい、どうも後付け的なイメージを持たれてしまいますが、自信満々で、「これこれこういう人を今探していて、シリーズAが終われば雇用できる。そうすれば必ず実現できる」と言えれば、また印象は違います。

実際に僕は現在、あらゆる方面から今後必要な人材を探し出して、「ファンディングが成功した暁にはうちの会社に来てくれ」と声を掛けている段階で、彼らの履歴書も必要あらば提出できる用意をしています。

ネガティブなイメージが持たれそうな所は、それを先に弱みと認識して考えておき、実践の場ではちゃんと弱みを認識しており、そこを補う努力をしている、という所をアピールした方が良いでしょう。

では続きはまた今度。

2008/01/10

Crysisきました

Crysisがやって参りました。



むほほほほほほほほ。


2008/01/05

役員・従業員への報酬

今日は、シリコンバレーのスタートアップ企業が自社の役員や従業員に対して、平均どのくらいの報酬を出しているかということについて見てみたいと思います。

僕にとっては、今回が2回目のスタートアップということもあり、この辺について大体の勘はつかんでいたつもりですが、5~6年くらい前と比べると、ストックオプション配分についてはそんなに変わりはないものの、平均給与については結構上がっているな、という感じ。あげルナー。


「なんで給与が上がったのか?」について、いろいろ話を聞いていると、

  1. Googleが平均給与を引き上げている
  2. 物価の上昇に伴う平均給与の上昇(特に不動産関係)

この辺が両輪となって頑張った結果、賃金が高騰している模様。バカ!Googleバカ!そしてサブプライムのバカ!

あ、サブプライム破裂はこれから不動産が安くなるからバカじゃないのか・・・

ちなみに、1.について、Googleが炸裂する前、同じくNetscapeが高い賃金で雇用を進めていた時代もあったらしく、結果、シリコンバレー全体の平均賃金が上昇したことがあったようであります。

2.については、さすがに最近はサブプライム関係でシリコンバレー界隈の不動産価格も落ちつくだろうとは言われているものの、昨今の原油高の影響で他の物価が高騰しているため、どうなんでしょうねぇ奥さん、というあたり。

そんなこんなで、まだまだこの辺に関しては平均賃金が極端に下がるということはなさそうであります。

さて、そんな感じですが、シリコンバレー界隈におけるスタートアップ企業達は現在、どのような報酬を支払っているのか、という部分については、Ask The VCのエントリーに先日掲載されていました。

ただ、注意しなければならないのは、特にストックオプション配分について、どのステージでのシェアなのか?という部分が不明瞭というあたりですが、僕の感触では、業種によって違いはあるものの、おそらくシリーズA~B後あたりだと思う。
コンシューマ系ソフトウェア企業の場合は、シリーズA後あたりじゃないかな。

ちなみにMedianというのは、中央値のことで平均値ではありまへん。簡単に言うと、全部足して割っている(これだと平均値)のではなく、実際に最も多い数値を表しているものです。
例えば、Founder CEOへの報酬で実際に一番多いのは、9.0%という具合。100人に聞いたら80人が9.0%でした、フ~ン。というような感じです。

一つ気をつけなければならないのは、VCがソース提供しているということ。
それが何を意味するかといえば、大体分かると思いますが、いずれにせよVCから資金調達を考えているスタートアップがあれば、あまりにかけ離れた報酬形態にはしない方が良いでしょう。

スタートアップをやっていると、いろいろな人と協力しながら前に進んでいかなければならないことも多いのですが、大体の人々がこのような前提条件を知らないため、平気で「10%のシェアをくれ」などと言ってくることがあります。

そして、創業者が無知だと、そんなもんかな?と渡してしまうことがありますが、それをやると、変なシェア状態を嫌がる役員やVCから、その後の雇用や資金調達が難しくなる可能性があり、後から「お金を出して買い取る・いや、買い取らせない」という事態に発展しかねません。というか、この微笑ましい光景をやっているスタートアップというのは結構多いです。

その他、従業員へのストックオプションの場合は、大体4年間くらいのVesting期間というのがあるのが通常で、この辺では、1年(25%)+36ヶ月(75%)という内容が多いと思います。
つまり、契約から丸一年経たないと最初の25%を行使する権利がなく、一年経過後は25%プラス毎月36回に渡って残りの行使権利が持てるようになるというもの。
会社を1年経たずに辞めてしまった場合は、ストックオプションを行使する権利がもらえません。

また、これは創業者であっても同じであり、創業者の場合はストックオプションだけならまだしも、創業時に持つ創業者株についても同じように適用されるのが普通です。

自分で出資してるのに、その時点では全部自分のものじゃないんですよ!これって何よ!と思いますが、そこはやはりアメリカ。創業者と言えども、前回の僕のようにアッサリとクビになったり、創業者が周りと敵対してとっとと辞めました、というような事態になった時、既に存在しない人なのに、いっぱい株を持ってるという変なシェア状態を避けるための措置なのです。

日本でもそうかも知れませんが、仮にその会社を創業した人であったとしても、その会社に属していない人にたくさんのシェアを持たれているという状態は問題があります。

そういうことを見越しての措置なんですな。でも俺にはくれ。

くれなさそうだから、もう寝る。

2008/01/01

2008年

あけましておめでとうござります。

アメリカは今日が1月1日です。

とはいえ、アメリカで過ごす正月は日本のそれとはちょっと違い、何と言うか、全然正月気分というものがありませぬ。


12月25日は休みですが、26日~31日まで普通に働いて、1月1日は休み。しかし、2日からは通常営業です。イラッサイマセー。
この季節になると、日本の年末年始休みが妙に恋しくなる今日この頃であります。

といいつつも、実をいうと僕は日本の年末~正月間の行事が一部馴染めず(なぜか年末になるとあちこち大掃除をしなくちゃならないプレッシャーを感じるだとか、正月そのものは何もすることがない等の諸問題。しかし、雑煮だとかお年玉は好きだった)、昔から、「僕の正月は6月12日にすることにした。雑煮は6月に食すもの」と宣言するような日本生活でありました。
今考ると、単に掃除したくなかっただけなのですが、なぜ俺正月を6月12日にしたのかは今でも謎・・・・

さて、僕の会社は2008年1月をもって設立から丸3年が経過し、これより4年目に突入します。

思えば今の会社を設立した2005年は、製品を作る年であったため、特に大きな売上げはなし。
2006年は、前の年に作った製品を売る年でしたが、これが100万ドル弱の売上げを記録。
2007年は、前の年の製品のブラッシュアップ+サポートと、また次の製品を作る年として一年間いろいろと試行錯誤しながらやてきました。

さて、2008年は去年から作り続けている製品をリリースする年ということもあり、段々とワクワク感も高まってきていますが、どうなることでしょう。と他人事のように語ってみるテスト。

ところで、今、開発している製品は元々の発想から少し方向性は変わっているものの、僕が会社を設立した2005年からやりたかったものでもあり、それだけにこれに賭ける思い入れも非常に強いものがあります。

2006年に売った製品については、Embeddedソフトウェアでしたが、売上げから見ても分かるように数は出たものの、NDA条項もありで僕の会社の製品であることをアピールすることもなかなか難しく、プレスリリースすら出すことが許されなかったという背景もあったのですが、今回の製品は完全自社製品であります。ヤホーイ!やっとここまで来た・・・でもよく考えたらなげー。という感じ。

構想が結構大きいこともあり、リリースするためにはまだまだやらねばならないことがたくさんありますが、周りの人達の協力で何とかここまで来れているという感じです。周りの方々、ありがとうぉぉぉぉぉおお!

さて、2008年も気負わず、惑わされず、これまで通り淡々とやるべきことをやる一年にしたいと思います。

では、今年もよろしくします。