2008/03/20

サブプライム不況とスタートアップ (1)

最近の大まかなスタートアップ事情については、日本でもそうかも知れませんが、シリコンバレーも相当参ってきているようで、僕の知り合いのスタートアップも最近2社ほどクローズし、VCについても1号ファンドが終わり、2号ファンド生成中でもなかなかお金が集まらなくなってきたという話も聞くようになりました。


このように昨今の経済事情は、サブプライムの勢いもあって実感としてあまり芳しくないと感じるものの、僕の場合は前回のスタートアップも結構ひどい時期(2002年頃)に資金調達活動をしていたので、実はこれが普通なのではないかと思う次第であります。

さて、僕の会社も引き続きシリーズAに向けて走り続けていますが、話が続いてデューデリまで行っている所もあるものの、基本的には以下のような理由で玉砕街道まっしぐら中!

  • まだ製品がない、顧客がいない (これが最も多い断り文句。ビジネスが見えていないと難しい。ウム)
  • 既にポートフォリオがいる (後半は同ジャンルの会社に複数投資しているVCは避けたものの、VCのポートフォリオに載ってなくてもステルスで同ジャンルに投資してる所もあった。騙されたー)
  • マーケットが見えない (混雑していると見ているか、専門分野ではないので全然見てないかのどちらか)
  • 調達金額が大きい (これは結構大事。後半は見直したものの、まだ言われたヒー。でも最小限で計算し直して違う案で再提出した所、話を続けられる所もあった)
  • 秘密 (僕と実際に会った人にだけ教えてあげるウフフ)

次に、現在進行中も含めて話が続いているVCが僕の会社の何を気に入っているかと言うと、

  • 将来のマーケットサイズの可能性 (大化けすると思っている)
  • 製品の目新しさ (他社との差別化部分を認識できるくらいマーケットを知っているVCのみ)
  • 投資戦略に内容が合致している (中にはシリーズAまでのブリッジのみを担う超アーリーステージ専門のVCもある)
  • 理由は分からないけど何か好き (直感を信じるタイプのキャピタリストも中にはいる)

と、こんな所であります。

これまで25社以上のキャピタリストと会って、その後のレスポンスが全くなかったのは3社のみで、ほとんどのVCはちゃんと返事を返してくれたり、アドバイスをくれたり、他社を紹介してくれたり、僕達が次のステップへ移行できることが条件で話を継続したいのでKeep in touchでお願い、という形で閉まるパターンが多かった。

ちなみにですが、レスが全くなかった3社のうち、2社は担当が日本人だった。(知らなかったけど意外といるいんですよ、日系VCではなく、現地VCで働く日本人)
で、こんなシリコンバレーみたいな外国で訪れたVCに同じ日本人がいたら、何かテンションも上がっちゃうじゃないですか。「おっ、同じ日本人同士だし日本語でOKだし、分かり合えるかも!これはいけるかも!互いに大変だよね!」だとかさ。

ところが、会って話をしてみると、一番元気がなくて反応が薄くて質問もなくて、その後連絡してもノーレスポンスだったのはニホンジンダケ!おーい大丈夫かー?生きてんのか?疲れてるの?

逆を言うと、その他は全員日本人以外のキャピタリストでしたが、上述したように全員レスポンスや次がある場合は宿題があったり、自社からの投資が難しい場合は他社の紹介等があったので、何だか日本人とローカル連中との元気差にガクゼンとしてしまい、とりあえずオフィスから彼らに元気玉を送っておいた。

今思えば、そんなモノより栄養ドリンクでも送っておいた方が良かったか?

まぁ、しかし現地でビジネスをやるなら、大きい所も小さい所も含めてちゃんとローカルのVCを血眼になって周った方がいいと思う。
現状の経済状況だけに、ビジネスが見えないと普通はあまりかまってもらえないけど、そこには知らないネットワークやらこれまで知らなかった知識が埋もれているから。

ちなみに僕の場合、現状の経済状況下で自社のビジネスモデルで現在のステータスだと、一番のSweet spotは、
  • 二桁ミリオンのファンドサイズ
  • 1社あたり$3ミリオン以下の投資戦略 ($1ミリオン以下、もしくは前後が多い)
  • 設立されてまた新しいVC (1~2号くらいを運用している所)
この辺だと結論した。

有名どころのVCは、いろいろとアドバイスはくれるし、ネットワークも紹介してくれるけど、何となく出来上がってしまっているためか、特に不況時にはこれまでのネットワーク上からハミ出ずに商売している感があるのに対し、新しいVCは担当者がCo-founderであったりするので、推進力に違いがあるというあたりが大きい。

続きはまた次回でーす。

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