最初に僕の会社のことを少し書いておきます。
■ 業種:ソフトウェアサービス
コンシューマ向けソフトウェアです。
■ 調達目標金額:300万ドル前後(最低200万ドル)
リリースするまでなら、あと50~60万ドル程で可能と試算。
300万ドルあれば、運営に必要な人を確保してギリギリ2年程生きられて、その間にブレーク・イーブンまで達成できるという計画。(400万ドルあれば余裕が出る計算)
■ 現在のマイルストーン:Proto version
Alphaまでもうちょっとだけど、とりあえずベータのローンチまであと3名程エンジニアが欲しい。
■ その他:
これまでに、約50万ドルをエンジェルインベスター経由で調達済み。
以上です。
では、さっそくダメだった所の内容を以下に示していきまSHOW!
O社:ここはかなり良い感じでプレゼンができた。担当もCo-Founderだったので決定権があるはず。
と、思いきや、ここはファンドサイズが5,000万ドル程度だったので、最低200万ドルという数字がデカ過ぎると言われる。
そうだよなー、5,000万ドルしかない所から200万ドルもらったら、そのVCのポートフォリオのうち4%を占めちゃうことになる。そら無理だー・・・。とは言いつつも、「じゃあ、200万ドルのうち50万ドルくらいは?」と聞いてみるも、このVCは、50~100万ドルくらいの投資で15~20%くらいのシェアを持つ戦略であるということ。ということで、シェアが持てないという理由で却下。残念。サイナラ。
D社:ここは最もひどかった。最初から冷たい対応で質問もネガティブなものばかり。というか、担当者がいやにネガティィィブ。
同じ業界に投資をして過去うまくいったためしがないらしく、「本当にできるの?」という質問を連発された。
「今までのはお前の目が悪かっただけじゃい!」とキレそうになる。
しかも、ミーティング後は連絡しても返事なし。断った理由もなし。セコイアだって理由くらいは教えてくれたっつの!バーカバーカ!と子供並みの逆ギレと共にサイナラ。
C社:ここは本命だった。僕達の担当者が業界に詳しく、かつ有名人であったこともあり、きっと違いを分かってくれるはずだと信じてプレゼンに望む。
プレゼンはかなり良い感じで進み、その担当者も僕達のプロトを絶賛。「こんなユニークなアイデアはこれまで見たことない!」とまで言われ、「次のミーティングをすぐにセットアップしましょう」と話が進む。
ウヒョー、キタかキタかーー?!と思った。
ところが、どうも上司から却下されちゃったらしい・・・。
「君、この業界にはもう既に6社に投資してるから、今後しばらくはポートフォリオ達の様子を見ろ」と言われた旨を通知され、しばし打ちひしがれる。うひぃ、上司ー!セクスィ上司ィー!
そうなんだよー、業界に精通した人がいるのでここは本命だったんだけど、それゆえ既に同じ業界の多数のスタートアップに投資を行っていたため、滑り込みアウト!といった所だった。もう少し早く動いていれば・・・。
R社:ここは、あっさり。
「既に同じ業界の2社へ投資してるのでお腹いっぱい」
以上。
ま、細かく言えばセグメントは違うんだけど、ここまであっさりされると何かすがすがしい。うーん、カリフォーニャ!
S社:
ここもあっさり。
「売上げか、顧客の存在が確認できないと無理だからまた来てね」
以上。
M社:引き続きお話中ここは現在進行中でもあるんだけど、たぶん投資そのものはダメなのでダメリストとして記載しておこう。
ちょっと名前の通った人の紹介であったため、出だしは良かったけど、既に同じような業界の有力な1社に投資しているため、そこに会社を売らないか?と提案を受ける。
その有力なポートフォリオは既に大幅黒字を達成しており、それを間近で見ているM社もこの業界そのものや、僕達のサービスについてかなりの興味を持っていた。というか、今なお持っている様子。
細かく言うと、ターゲット層だとかマーケットそのものが違うので、同じ業界といえども違いはあるんだけど、ちゃんと精通している人でなければ、その辺の見分けはつかないんだろうなぁ・・・。そういう意味では、C社の担当者がここに欲しかった。
現状の総論さて、これまでの所、断られたVCについては以下の点が共通していたと思うので記載しときましょう。
- 大体のVCは、同じ業界で2社以上に投資していればもうお腹いっぱい。
- 同じ業界のスタートアップの違いが分かる担当者というのは少ない。
- やはり製品のリリース前というのは評価が厳しい。顧客が既にいればもっと楽になると思う。
競合他社との差別化については、十分考えてビジネスプランを持って行っていたし、直接競合に投資しているVCは避けていたわけですが、担当者がその業界をあまり知っていなければ、差別化要因の理解もなく、同じ業界として括られるため、「他社との差別化」に捉われていてもあまり意味はないと思った。
例えばゲーム業界ならば、FPSだとかMMORPG、カジュアルゲームだとかでマーケットの種類に違いはあるし、またGameSpyのようにプラットフォームそのものではなく、コミュニティやツール類を運営している会社もあるんだけど、こういうのをひっくるめて「同じ業界」という形にされてしまうので、やはり結果で違いを見せるしか方法はないと思う。
まー、つまりVCはみんな忙しいんですな。一つの業界におけるスタートアップ間の細かな違いまで判別している暇は、よほどでないとないと思われます。。。か、もしくは僕のプランがあまりにつまんなく、断り文句として「お腹いっぱい」を使っているかのどちらか。
これからの展望さて、引き続いて話を継続している所もありますが、今後は上記を踏まえて以下のように新たな行動をしていくつもりであります。
■ 必要資金額をもう一回練り直し
(最低額をもう一度見直し、訪問するVCのファンドサイズ、ファンドを組んだ時期を見て最適化してみる)
■ 同じ業界に投資していないVCや海外のVCを狙う
(これまでは、同じ業界のスタートアップに投資経験のあるVCの方がいいかと思っていたけど、結果が全く逆だったので。あと、アメリカ以外のVCでもいいかも知れないと考え中。ただ、日本のVCは当地ではリードを取りたがらないので無理だろうなぁ。台湾あたりにでも行ってみるかな)
■ VC以外での生き残り方法を模索する
(やはり製品をリリースして顧客がついていることを証明しないとVCは厳しい・・・)
とまぁ、こんな所ですかね。
おまけそういや、Executive Summaryだとかビジネスプランですが、「最近同じ型ばっかりなんだよね、この型って流行ってるの?」と聞かれた(笑
僕が前に書いたような内容って、既に現地ではマニュアル化しているみたいで、まるで90年代のメンズノンノとか見てそのまんまマネするマニュアル君みたいな見られ方をされてハズカシー!と感じたので、ちょっと凝ってみてもいいとオモタよ。
これからは、ちょっとだけオレ流を入れることにしようと模索中。