2008/01/14

資金調達活動中 (1)

こんにちわ。

現在、僕はローカルのVCに対してシリーズAの資金調達活動を行っていると共に、それまでのブリッジとしてConvertible Notesを用い、個人投資家への体当たり活動を行っています。

今日は、実際にシリコンバレーのVC巡りを行って思ったことなどをつらつらと書いて参りましょう。


さて、当地にはたくさんの数のVCが存在しますが、日本と違う所はそれぞれのVCが大体の得意分野を持っているというところです。
日本の場合は、VC自体の数がそんなに多くないため、一人で多くの業界にまたがって案件を抱えなければならない場合や、あえて業種というよりも地方に根ざした活動をしているVCも存在します。

もちろん、当地でもいろいろな分野に投資している規模の大きいVCもありますが、そういうVCはアーリーステージのスタートアップにはあまり投資をしませんので、基本的に最初のファンドは、1億ドルクラスくらいまでのファンドサイズを持ち、アーリーステージへの投資も積極的で、かつ投資分野も拡散していないようなVCから投資を受けることが理想的です。

ですので、自分の会社の業種が何であり、どのようなVCだと好まれそうなのか、というあたりからVC選びというものを始めていかなければなりませぬ。

「Siliconvalley VC」でこの辺を検索すると、いろいろ出てきますので、それらVCのポートフォリオを眺めながら、そのVCがどういった業種を好んで投資しているかを見てみると良いでしょう。
ただし、次回書きますが、自分の会社と同じ業界にいくつも投資しているVCは、「もうお腹いっぱい」と断られる可能性が高いので、例えば「ソフトウェアか半導体か」、「コンシューマ系主体か、それともエンタープライズ系主体か」といったような、かなりざっくりとした形で見た方が良いと思われます。

次に、実際にVCに当たる際ですが、どのVCもWEBサイトでメールアドレスを公開している等、オープンにしているように見えますが、そのままメールを送ってみてもきちんとした返事をもらえる確率というのはほぼナッシングと思った方が良いです。
これは僕がやってみて実際にそのような結果であったため、胸を張って言えることであります。(こんなことで胸を張ってみる)

一番近い方法は、VCと既に何らかの接点を持っているような人にヘビのごとくソロリと近寄りつつ、アドバイスをもらいながら紹介してもらうという手です。
シリコンバレーには、そのような仕事を個人的に行っているコンサルタントも結構いますので、そういう人を積極的に見出してやってみる手もあるかも知れません。

ただし、気をつけなければならないのは、そういうコンサルタントというのはまさにピンキリであるという所。

僕がこれまで会った中で最低だったのは、「自分がYESと言えばどのVCも必ずYESと言う」、「僕は君の会社が気に入った。僕が気に入る会社というのは30社に1社しかない」という割には、1ヶ月間くらい「今日はVCが都合悪いみたい」だとか、「今日は僕が旅行中」だとか言って全く行動力がなかった上に、

「僕に行動を起こして欲しいなら、君と同じシェアがなければやる気がしない」

と、のたまった人でしょうか。

途中で何となく気づいてしまったので、「悪いけど、そんなに行動力がないとは思わなかった。この話はなかったことにしますから。バイバイキーン!」と契約前に申し出てスパリとサヨナラ。

そんな彼も、とある場所では結構有名な人なもんだから手がつけられません。

名前よりも実行力。
社員も同じですが、名前の通っている人ほど、「あまり行動してくれず、口だけ」という人が多いということがあります。もちろん、そうではない人も数多くいますが、口よりも行動が大事。一生懸命やってくれる人かどうか、2-3週間もあれば判断はできます。自分の判断を信じて良い人を見つけましょう。

さて、本題ですが実際にローカルのVCに行ってみて、特に大事なポイントと感じた箇所としては以下のようなものでした。

  • 製品/サービスのユニーク性(他社との違い)
  • チーム(誰がやるのか)
  • 開発、販売の現実性とマイルストーン

この辺は日本でも普遍的なものかも知れませんが、改めて細かい箇所まで説明しなければならないシーンが多かったです。
なので、この辺の答えはソラで暗記しておくと良いでしょう。いちいち聞かれる度にパワポを確認、というのは何だかちゃんと考えていないように見えちゃうので。

製品/サービスのユニーク性というのは、これがないようでは最初から無理です。
他社が既にリリースしているものと、同じようなものを開発した所でどうしようもありません。
大事なのは、「存在する市場(競合はいるが)」と、「その中でも一番ユニーク(競合よりも抜きん出た何か)」であることと言えましょう。

次のチームについては、もしもあなたが僕のように無名の人であれば、どうしようもない所でもあるため、せいぜい精一杯自分の履歴をアピールするくらいしかできません。

「俺ってスゴイ人ー!」って、ホントは全然スゴくないのに言わなければならない場面に遭遇って嫌なもんであります。オデコに嫌な汗・・・看護婦、汗!と言いたい衝動に駆られるくらい。で、ミーテイングが終わったら、大体オデコがテッカテカになっててなんかヒドイことになってるんですよ。

最後の現実性ですが、これはチームの所と交差する部分で、結局事業を実践するのは人であり、チームであります。
よって、現実性の部分は、「どのような人が責任を持ってやり抜くか」と聞かれていると思っていいでしょう。

チームがよければ、「このチームは過去に実績があるから今回もできる」ということを言えますし、逆にチームがなければ、「投資を得られれば、こういう能力を持った人を雇用することで実現可能だ」ということが言えます。

僕の場合だと、プレゼンの所でそれを自ら言います。先にここを突っ込まれてしまうと、「あ、いやチームさえあれば」となってしまい、どうも後付け的なイメージを持たれてしまいますが、自信満々で、「これこれこういう人を今探していて、シリーズAが終われば雇用できる。そうすれば必ず実現できる」と言えれば、また印象は違います。

実際に僕は現在、あらゆる方面から今後必要な人材を探し出して、「ファンディングが成功した暁にはうちの会社に来てくれ」と声を掛けている段階で、彼らの履歴書も必要あらば提出できる用意をしています。

ネガティブなイメージが持たれそうな所は、それを先に弱みと認識して考えておき、実践の場ではちゃんと弱みを認識しており、そこを補う努力をしている、という所をアピールした方が良いでしょう。

では続きはまた今度。

1 コメント:

株の資金 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。