2007/11/16

資金調達の下準備

今日も軽く書いていこうと思います。

シリコンバレーで現地VCから資金調達をする場合、どんな下準備が必要なのでしょうか?
資金調達の成功については正確な解はないと思いますが、資金調達の下準備については以下の3つが挙げられます。


  • Executive Summary
エグゼクティブサマリーとは、2ページくらいの概略説明書のことです。
全ての企業が、まずここでふるいにかけられます。
ええ、すこぶるふるわれます。僕も過去、何度ふるわれてきたことか。あー、落ちたー。もちたー。

これが3ページを越えてくると逆に無視される可能性がありますので、なるべく手短に、要領のみを積み込みます。

こちらのVCに働く人々は、長いエグゼクティブサマリーを見るという概念がありません。「見ない」とか、「見れない」とかではなく、そもそも概念がありません。
彼らの中では、「エグゼクティブサマリーとは、こういう内容で2ページ以内に終わっているものだ」という前提があります。なので、前提枚数を超えたり、記載内容が前提と違ってしまうと、完全に受け付けないというわけではないのですが、その時点でポイントがマイナスになってしまう可能性があるのです。

ということで、エグゼクティブサマリーは、

  1. 2ページ以内に
  2. 入れるべき情報を整理して
  3. 目につくような書き方で

上記に気をつけて作成する必要があります。

ちなみに僕は過去、サマリーなのに10ページというビジネスプランとたいして変わらない容量をにこやかに提出し、「読む気がシマァセ~ン(外人風)」と怒られたことがあります。ですので、ここはしこたま気をつけてください。

どのような内容を入れるべきか?についてはまた後日。

  • Business Plan
次は、ビジネスプランです。
エグゼクティブサマリー審査を突破できた企業のみが、ビジネスプランを読んでもらえることになります。

基本的にこちらの人々は、テンプレートが好きであり、その型にハマらないものは嫌われる傾向にあるのですが、エグゼクティブサマリーに続いて、ビジネスプランにも型はあります。
内容はまた後日記載しますが、「12 Magic Slides」というのがそれにあたります。その名の通り、12枚でプランを説明します。それ以外の付属情報は、全てAppendixとして切り離しておきます。
ビジネスプラン作成の注意ポイントは、「スライドが長すぎない・文字を詰めすぎない・説明はポイントのみ」です。
時間については、20~30分以内で一通り説明できるものがいいでしょう。

いずれにせよビジネスプランにおいては、短時間で簡潔に説明でき、かつ現実的であり、相手の心を引き付けられるものでなければなりません。
誰しも自分の製品については誰よりも愛しているでしょうし、いろいろな付属アイデアもあります。製品への思い入れも中途半端なものではありません。
なので、そんな短時間で説明できるか!何が分かるのか!となるかも知れません。そしてそれは僕も全く同じです。

ですが、インベスター側の視点で見れば、新しいアイデアは毎日洪水のようにやってきます。もしも自分がその立場ならば、毎日こなさなければならないビジネスプランのデューデリジェンスやミーティングの中で、何かしらの基準をクリアした案件のみしか物理的にもその後を追うことはできないでしょう。

その基準とは何なのか?ということを特に創業者は、客観的な視点から事前に知っておく必要があります。

ちなみに僕は過去、50ページにも及ぶ自分よがりな大作を持ち込み、「1ページ目だけ見たケドもう飽きマシタァ~(フランス人風)」と怒られたことがあります。ですので、ここもしこたま注意が必要です。

ビジネスプランに詰め込むべき内容についても詳細はまた後日書いていきます。

  • Elevator Pitch
エレベーターピッチとは、読んで字のごとく、エレベーターに乗ってから降りるまでの約30秒くらいの間にいかに話をまとめて相手に伝えられるか、という技術のことです。

個人的にはこういうのは嫌いなのですが、プレゼンの場においては持っておくと重宝します。というか、キッチリ格好良くまとまれば、「お、この人、なかなかデキそうな人だな」という印象を相手に与えることができます。

エレベータピッチについては、以下の三種類を用意しておくといいでしょう。この三点を簡潔に30秒くらいで話せる練習をしておくと何かと役に立ちます。
  1. 自己紹介
  2. 会社概要.1 (何をしているか、マーケット概要、顧客概要、今の問題点、問題に対するソリューション)
  3. 会社概要.2 (ソリューションの市場規模、競合状況、他社との違い、なぜ競合に勝てるのかという理由)
ちなみに僕は過去(もういいって)、英語がまるで分からなくて、1.の自己紹介時に、「マイ・・・マイ・・マイ・・ママイマ・・アイネムイズ○○」みたいに、ほぼジミー大西化してしまったことがあります。ですので、自己紹介くらいは訓練しておきましょう。

余計な情報も幾分入ってしまいましたが、下準備としては、
  • Executive Summary
  • Business Plan
  • Elevator Pitch
上記三点のみです。

次回以降は、実際の調理方法について解説しますので、調理道具は各自用意しておいて下さいまし。

2 コメント:

株の初心者の資金 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

Sergeant Major さんのコメント...

ありがとうございます。
全然更新していませんが、またきてくださいね。